「スマートレシート」がもたらすビッグデータ


みやぎ生活協同組合(宮城県仙台市)が実験的に今月 22 日から導入している「スマートレシート」というサービスが、クリエイティブ的に面白そう。
「スマートレシート」は、東芝テック株式会社が開発した電子レシートシステム。
それが今、みやぎ生協で3月まで試験稼働しているようです。
■電子レシート「スマートレシート」の実証実験を21店舗で開催中
http://www.miyagi.coop/shop/news/detail/878/
お財布の中に無駄にたまりまくるレシートの紙の束をどうにかしたいという問題提起から作られたアプリだと思うのですが、面白いと思うのはそこではなくて。
各企業がビッグデータに注目している状況で、人々の購買状況や商品内容を「家計簿ソフト」ではなく「POSレジに登録されるデータ」から取得しようとする視点が、なるほどと思います。


今まで自分の小遣いをデータにして可視化しようとしたら「家計簿」という発想しかなく。
自分の財布の入金・出金のデータを監視するべきだと思っていたのですが。
確かに今まで、レシートを管理するアプリのようなものは色々あったのだけど、それらは紙のレシートを撮影して、そこから文字や数字をスキャンして取り込むという、まず紙のレシートありきのサービスでした。
だから、商品を購入した各々の店で支払った金額を、一元管理してまとめるという、このスケールの大きな発想はなかった。
購入者(利用者)は、後でデータをまとめて見ることで財政管理が容易になって。
店舗側やメーカーは、無駄な紙を出さないコストダウンになる他、購入者の属性や市場行動を容易に解析できるビッグデータを簡単に手に入れることができる。もちろん、その解析によってより良い商品を世の中に出していける。
これは素晴らしいのではないだろうか。
デメリットは、電子データなので確定申告などで改竄データが出てくる可能性があることですが、そこはセキュリティでなんとかしたいところ。そう考えると、サーバー管理が必要になると民間企業が乱立してくるから統一された POS レジシステムにならないから、普及は時間がかかるのかなぁ。
リクルートが最近リリースした、iPad が POS レジになるという無料アプリも、店舗側が勝手に自ら店舗情報を登録してくれる上に、売上情報を送信してくれるという、ビッグデータ取得にはもってこいのアプリだったし。
最近のクリエイターの発想には、頭の柔らかさが必要ですね。もう新しいサービスは無いだろうと思っていても、次から次へといろんな角度から新しいサービスが出てくる・・・!
・・・と考えて1人で興奮していたら、クレジットカードが既にこの概念システムを構築していて、特に新しいサービスではないと、はたと気づいた。
サービスの見せ方って大事ですね。

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