GW という名の大型連休中に実家に帰った際、両親が「蕎麦食べたいわー、十割そば食べたいわー」と言っていたので、一緒に十割そばで有名な「戸隠」に行ってきました。
連休最後の週末だったのですが、地域の特性というか「浜松祭り疲れ」ともいうべき現象なのか、どこもあまり混んでいないみたい。お昼の時間を少しずらして行ったこともあり、すいた店内でゆっくりとお蕎麦を堪能することができました。
両親の話では、昔この場所ではないところにあった蕎麦屋さんが移動したんじゃない? と言っていたのですが、その記憶が正しいのかどうかはよく分からない。
学生時代は部活やバイトでほとんど家に居なかったので、ゆっくりと両親と話をしたこともなかったのですが、この歳になって相手の苦労も想像できて理解できるようになると、その時代の自分の幼稚さとかに顔から火が出るほど恥ずかしいですね。
土日でもランチメニューが OK とのことで、僕と母はランチに。
蕎麦 + 炊き込みご飯 + 天ぷら + 1品小鉢 + デザート、といった内容。
季節なのか「たけのこ」の比率が高いですね・・・。
いつもこのお店にくるとき思うのですが。
店名にもなってる「戸隠そば」独特の複数の束になったような盛り付け方があると思うのですが、そのスタイルにはなってないような。
「十割そば」の違いは僕にはよく分からないのですが、つなぎのない蕎麦というのは作るのが大変ということも理解できます。
作り手の大変さというのはアウトプットされたものがシンプルだと伝わらないものなんだな、と改めて思い知らされる感じです。これ提供される側もプロじゃないと絶対伝わらないし。
「作る行為がデザイン」ではなく、「提供されたお客様が完成させてデザイン」という言葉も深いなぁと思って聞いたことがありますが、まさにそんなかんじ。シンプルになればなるほど、最後の個性のような感じ方やライフスタイルに合わせた使い方は、最終的に使う人に委ねられるものなんでしょうね。なんの話だ。
お蕎麦も同じ。
独特の分かりやすい尖った個性なのか。
見えにくい水面下の仕事に丁寧さがあるが、素人目に分かりにくいものなのか。
仕事にもそんな違いがあるかもですね。
こちらは、父が食べてた少し高めのセット。
自然薯が付いてくるセットです。自然薯高いですよね。
お蕎麦は、手打ちらしい荒々しさというか息吹みたいなものがあって、やっぱり美味しい。
つゆも合ってて、食べてると「やっぱり美味しいなぁ」という気分になります。
店内の大きな窓などの雰囲気やスタッフの方のテキパキと働く様子も、とても居心地いいですね。
天ぷらも、良い油でいい感じに揚がってて美味しい。
街中の料亭もこんな感じで、好きな味です。
値段は高いですが、やっぱり美味しいし接客も気持ちいいので、また食べたくなりますね。
ただ、僕のような蕎麦素人には「値段が高い!」と思ってしまいます。
店の奥に蕎麦打ち名人というスペシャリストがいるかもしれないですが、こういうのってやっぱり分かりにくいと感じます。店から出てきたとしても、蕎麦を打っているところを自分の目で見てみても、「蕎麦打ち名人」は、なかなか伝わらないかな。僕が蕎麦のプロという質の高い客だったなら理解できるかもだけど。
帰り際に店主さんが「母の日が近いので、コレをお母様にあげてください」とチョコレートの箱を手渡ししてくださり、サービスいいなと感じました。
このチョコは和風のクランチチョコみたいなので、僕も母から少し分けてもらったのだけどすごく美味しかった。味が少し蕎麦っぽいというか、蕎麦屋がこれを美味しくて薦めてくるのがなんとなく分かるというか。
スーパーで市販されて買えるものだと思うのですが、
「さすが蕎麦屋ならではのチョイス! 味が分かるな! この人プロだ!」
と唸らされるものでした。
蕎麦という商品は素人には違いがよく分からないものですが、お菓子なら食べ慣れているので違いが分かる。
結果的に、店のクオリティが感覚的に伝わります。
お店側は狙ってなくただの親切なサービスだと思うのですが、なかなか良い戦略だな、と気づかされました。
この販売戦略は使えますね。
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