おフランスで生まれたエレガントなフォント「Garamond」は実は省エネ。


Adobe系のソフトに入っているフォント「Garamond」。
Adobe にとってもコーポレートフォントとして使われる特別なフォントです。
読みやすく癖が無い。可読性に優れたフォントです。日本語と組み合わせても相性が良いですね。
Garamond は、フランス人書体デザイナー「クロード・ギャラモン(Claude Garamond)」の創作した活字です。
昔のフォントは土地の名前が付くものが多かったですが、本人が自分の名前を付けたわけではありません。古典となったデジタルフォントとして人名の付いた、偉大なフォントです。
Garamond は、その名の通り、ギャラモンの活字とよく間違われるのですが…。
実際には Garamond と呼ばれるフォントは、100年後に活躍した書体デザイナー「ジャン・ジャノン (Jean Jannon) 」の活字を基にしたものです。勘違いで定着したというデザイナーの間でも伝説になって語り継がれている壮大なミスですね。それでも多く使用されるのは、決してジャノンのクオリティが劣っていたからではないからですが。
歴史的には、間違えて販売されてそのまま定着されたとされています(そのため「ジャノン系ガラモン」とも呼ばれる。
Garamond にもいろんな種類があって、ラーメンの「家系」とか「忍者系」みたいなかんじで、いろんな流れがあるのが面白いところ。


どんな種類があるか書いてみようかと思ったけど、Wikipedia にもあるので、そちらで。
ギャラモン – Wikipedia
Adobe 系制作ソフトを使うデザイナーにとっては、Adobe Garamond が馴染み深いと思うのですが、これはオリジナル系のガラモンです。
Adobe の力の入れようもすごくて「合字」なんかもちゃんと入っています。
面白いのは、数字の不ぞろい具合。
上と下の位置が微妙にずれていて、揃っていないのですよ!
なので、僕の作る成果物も、この Garamond を使用しているのが多いです(金額とか、日付のところで多用されています)。
Garamond の特徴といえば、デジタルフォントの祖としての、細部の作り。
もともとは優美さのある繊細な字面なのですが、ファイルサイズを小さくするために必要以上の装飾がないようになっています。
ギリギリ幾何学的じゃない美しさというか。
線が細く、インクだまりのような部分が少ないからか、プリンタのインクを消費しにくい、エコなフォントという研究結果もあるそうです。
割と省エネなフォントですね。

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