デザインのコモン・センスをアップデートするのは誰


アプリの「保存」アイコンが若い世代に「謎」という件。
保存アイコンはフロッピーディスクの姿をしているのですが、若年層はフロッピーディスクを見たこと聞いたことがないので何の絵なのか分からないそうです。技術の進歩って速いですね。
そして意匠化して分かりやすくしたはずの「保存」というデザインが世代で分からない人がいるというのは、デザインにとっては大問題かと思うのですが、ユーザビリティというルールでいえばこれは問題ではなく規定通り。デザインを学問にして体系化していくと不思議なこともおこります。



保存アイコンの問題に関してはビジュアルの方に目がいきがちですが、世代ごとに違う常識も大問題。
「保存」といえば、現在の状態を手元(ローカル)に保存(セーブ)することが共通認識だと思うのですが。
インターネット上に情報があることが当たり前の世代では、ネット上にあるものを手元に保存する行為はダウンロードで、保存です。クラウドが当たり前の世代では、さらにネット上にアップロードしてどこからでもアクセスできる状態にすることを逆に「保存」となっているとも考えられます。
技術があまりにも進歩してしまったせいで、「普通」「共通認識」がアップデートされ、若い世代と高齢な世代にギャップが生じることは現代では珍しくもないですが…。
このように概念が異なってしまったものを、いつかデザインは解決できるのでしょうか。

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