国土地理院が公開した「外国人に分かりやすい地図記号について検討した結果をまとめた報告書」という資料が、なかなか読みごたえがあり勉強になります。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されることで熱を帯びる、インバウンド対応デザイン。
この資料はそんな時代を踏まえ、全編を通し、地図とデザインについて考える内容になっています。
地図に記載する際の地名、施設名を英語表記にする際のルール、外国人にとって分かりやすい地図記号など、日本語を使用しないでサインやシンボルマークによってどのようにコミュニケーションデザインを成立させるか、どう統一したらいいかのガイド資料になっています。
インバウンドが注目され、多言語化デザイン案件が多くなっている今、世界に通用するデザインを作る指標として目を通しておいた方が良い資料です。
■地名の英語表記及び外国人にわかりやすい地図記号について-外国人にわかりやすい地図表現検討会報告書-(平成27年9月)
http://www.gsi.go.jp/common/000111876.pdf(PDF形式)
アイコンを作る上でも世界共通デザインになるという図案は、文字情報に頼らないデザインになるので、とても参考になります。コモンセンスとして意識することで、その図案を世界共通のものにまで昇華させることができるので積極的にモチーフとして使っていきたいですね。
また、多言語化された成果物を作る場合に、一番の課題となるのがコストの部分。翻訳費用が無視できない大きなコストになります。
しかし各国の文字を入れる必要の無いデザインに構成されていれば、大幅なコストダウンにもなります。
図案でのフォーマットを広く認知させることで、より世界が共通認識につながり、デザインによって国の壁をとりのぞくという動きにもつながるのです。
また、ファイル名やクラス名など、命名規則。
命名のためのルール&マナーなど、考え方を各自で統一させておくことができるなど、インバウンドだけでなく制作ガイドラインとしても目を通しておくメリットがあります。
装飾ではないデザインの基礎となる部分、おさえておきたいですね!
■外国人にわかりやすい地図表現検討会|国土地理院
http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa41015.html
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