まず、何色もの絵の具が入った絵の具セットを用意します。
「ここにある絵の具を使って、太陽の絵を描いてみて」
そう言うと、100%近い人が赤い絵の具を手に持ちます。
なぜ赤色を選んだのか問うと、全員不思議そうに「だって太陽は赤色でしょ?」と訊くのです。
ところで、虹は何種類の色数で構成されているでしょう?
7色。みんな即答で返ってきます。
しかし英語圏の人に同じ質問をすると、「6色」という答えが返ってくるのです。
アップルコンピューター社のリンゴマークを見たことが無い人はいないと思いますが、CEOであるスティーブ・ジョブズが最近になって単色のエンボス地のデザインに変更をするまでは、 6色の縞模様デザインが広く使われていました。このことからも分かるように、英語圏での虹は6色なのです。
アフリカの一部の地域では4色で、マヤ文明で有名なマヤ族の一部では3色とされています。
色は文化によって恣意的に切り分けられた象徴的意味なだけで、文化によっては言葉が存在しない色、違うものを差す色もあります。この辺りは人類学や生理学?(色学理論)を関連付けて紐解くと面白いかもしれません。
日本では青色は「未熟」や「爽やか・若々しい」というイメージがありますが、英語圏でのブルーは「陰湿な」や「下品」を表しています。アダルトムービーは日本では「ピンク映画」ですが、英語圏では「ブルーフィルム」です。
それくらい文化によって感情を表現する色は異なるのです。
冒頭の太陽の色の話ですが、これは日本文化特有というか教育の副作用というか、日本国旗が「日の丸」という名称で使われていることから「赤い丸=太陽」がインプリンティングされていると考えられます。ちなみに諸外国での太陽の色は黄色もしくはオレンジです。
よくいる一生懸命なデザイナーの口上の「ここは○○のイメージだから○色。それが色彩学(※)」と間違った言葉で決め付けるシーンは非常に滑稽なものですが、光スペクトルやスカラー曲率、p電子が選択し吸収する波長について云々。
そんな難しい言葉や理論を振りかざさなくても、神様のお告げ、宇宙からの電波、人間の魂といった部分で仕事をしてもいいじゃない。
(※)色彩学は習ったことないから詳しく知らないけど、たぶん色の構成とかバランスの統計学
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