99日目の夜


朝礼の時に喋った小話の内容は以下です。
あと1日待てば最愛の王女を得られたのに、あと1日だけを待たずに去った兵士の話。
王女と兵士(2006年06月19日 ブログ投稿)

昔、ある王様がパーティを開いた。
国中の美しい女性が集まった。
護衛の兵士が王女が通るのを見た。
王女が一番美しかった。
あまりの美しさに、兵士は恋に落ちた。
だが、王女と兵士ではどうしようもない。身分が違いすぎる。
でもある日、ついに兵士は王女に話しかけた。
王女なしでは生きていけないと言った。
王女は彼の深い思いに驚いた。
そして言った。
 『100日間の間、昼も夜も
  私のバルコニーの下で待っていてくれたら
  あなたのものになります』
・・・と。
兵士はすぐにバルコニーの下に飛んでいった。
2日……、10日、20日たった。
毎晩、王女は窓から見たが、兵士は動かない。
雨の日も風の日も、雪が降っても、鳥が糞をし、蜂が刺しても、兵士は動かなかった。
90日がすぎた頃には
兵士はひからびて、まっ白になっていた。
眼から涙が滴りおちた。
涙をおさえる力もなかった。
眠る気力すらなかった。
王女はずっと見守っていた。
99日目の夜、兵士は立ちあがった。
椅子を持って 行ってしまった。
最後の日に。
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アルフレードがここまで話したのを聞いて、
トトが意外な顔をして訊ねる。
「最後の日に?」
「最後の日にだ」と言ってアルフレードが締めくくる。
「話の意味はわからない。わかったら教えてくれ」

偶然ですけど、18日にBlue-ray版が発売されるみたいですね。

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