「レジュメ」って言葉なのですが、「会議での議題」や「発表内容の要約」みたいな言葉のイメージを自分では持っていたのですが、それは正確には「アジェンダ」の方の誤用らしい。
海外では「レジュメ」とは、履歴書や職務経歴書(英文で書かれたもの)のことを指すと、はじめて知った。
世界は広すぎて、「俺レベルになると」とか言っちゃう自分は小さいな!
そんなことを思った次第。
で、海外での求職者の書類を見てて、ある体験を思いだしたので、チラシの裏的に。
僕は性格的に嫌なことは先に済ませたいタイプなので(余韻を楽しみたいタイプ)、4年の春には就職活動をしまくっていたのですが。
折しも就職氷河期の時代。
先輩達からは「リクルートは楽しい」と内定するとハワイに招待されるなどされたという話を聞き、ワクワクしていたこともあったのですが、現実は人事担当の高圧的な態度にイライラする毎日。そんな感情が表に出て面接者に「お前ほど態度が悪い奴はいない」と毎回言われるぐらい。まぁ当時金髪だったり、私服で面接行ったりしてたからなんですけど。
僕はアルバイトを3つ掛け持ちしてたこともあり、特に生活に切羽詰ってなかったので、まぁ就活に苦労するだろうなとか思っていたのですが、案外簡単に内定が貰えました。
その企業というのが。
僕が歴代、乗ってる車のメーカーでもあり、伏字にするのも難しいし時効だと思うので言っちゃうと、某メーカーです。
4月には決まったので、周囲でもかなり早い内定でした。
で、早すぎる時期のこともあったと思うのですが。
その人事担当の方が、
「内定は出すけど、他の企業も回って話を聞かないと、君は後悔するかもしれない。他の企業も回って、そのうえで自分でウチを選んでほしい」
と、言ってくれたのです。
いまになって思うと、なんでそんなことを言ったんだろうと思うのですが。
たぶんそんなにまで僕を必要な人材と思わずにキープのつもりで言ったのかもとか思います。
僕はその言葉通り、いろいろ回ってみたのですが。
回ってみて一番入りたいな、と思った企業は、家から歩いて数分の会社でしたwww
この会社には本気で入りたいと思ったものですが、どうしてもズラせない行事か何かと最終面接日が重なったのです。それで面接日を変えてくれるように先方に懇願したのですが、答えは「ノー」。
そこで初めて、冒頭の某自動車会社のことを思い出すのですが、半年以上も経っていまさら連絡するというのがしづらくなっていて。
逡巡としている間に年が明け、1月になり、もう連絡できる時期でもなくなっていました。
その後、就職課経由で地元の長者番付に、毎年必ず名前を連ねる企業(特許をもってる会社です)にあっさりと就職が決まりました。
あっさり決まったのは、試験が僕の得意分野の暗号解析や立体展開図のような「問題から答えを出す」ものだったため、点数が良かったからだと思います。(入試などでよくある試験内容は「暗記したものをどこまで書けるか」で、僕はこれに関しては相当苦手です。最終面接では各支社の責任者が広い会議室にずらーっと一堂に集まっていて囲い込みながら「私の部署へ来い」と熱心に誘ってくれたことも決めた理由のひとつ。
まぁ、僕が決めた事業所は「家から一番近いところ」でしたが。
それから、2年後くらい。
僕のもとに一通の手紙が届きました。
普通の白い封筒に入った、普通の封書。
しかし差出人の名前には全く憶えがありません。変なところは、名前の横に誰もがよく知っている企業名が書かれています。
封を開けて手紙を見てみると、手書きの文字で、こんな書きだしの文章でした。
「お久しぶりです。今の会社には不満はないですか?」
そこで初めて、差出人が、冒頭の企業の人事だった人だと気づきました。
内容は、もし今の会社に不満があるなら中途で来ないか、というような内容。
まさか、就活で一度会っただけのいち学生のことを覚えているとか。
当時の応募した時の履歴書とか、保管してあったんでしょうね。
個人情報保護が叫ばれる現代となっては考えられないことですし、今となっては似たようなことが起こり得ることはないはずですが、当時はびっくりというか感動したことを覚えています。
どちらかというと、現代では通報されそうなレベルですけど・・・。
ただ、人を動かすって、こういうことなんだろうな、と。
サービスやコミュニケーション、果てはブランドというのは、こういう細かくて気配りのきいた人間の積み重ねのようなものであり、企業というのはそういう人間によって構成されるものなんだろうと思います。
そうであるからこそ、どれでもいいというわけではなく、僕はずっとトヨタ車に乗り続けているわけで。
能力?を評価されるというのはそれだけでも嬉しいものだと思うのですが、人と向き合うというか、特別な体験を得られるというのは、それだけで人生を変える起点と決断とになりえると思うのです。
まぁ、僕は僕の人生を行くので。
他人がどうすることもできないですし、行かないですけどね。
僕が逆の立場になった時、僕はどのように思うのだろうと、そんなことを考えた日。
過去記事にはこんな考え方もあるみたい
「面接をする方の立場ってどんな気分?」という質問を社内でもされて、改めて自分の気持ちについて考えてみたのだけれど、単純に能力が高い人を採用、という問題じゃないような気がします。特に新卒の子なんて全員実績ないから能力なんて分かんないし。
他人を評価して選ぶ、というよ…
フレッシュな気持ちをかなりの昔に忘れてしまっているので、雰囲気に少し戸惑いもします。
未来というのは不確定で、手に掴めて確かめられるものでも手探りで見つかるものでもないので。
新卒の子たちも将来への期待と不安がごちゃまぜになったような気分を就職活動で味わうこと…
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