汗をかかない! 舞妓の高帯というデザイン


京都の景観としても活躍している「舞妓」さん。
日本文化の象徴としてアイコン化されることも多く、ファッションとして日本を表演しているともいえます。可憐とされる「だらり帯」や肩上げの着物は少し形を変えてはいますが現代の若年層にも人気でオフィシャルな場所での着物としても影響を与えています。
そんな舞妓さんの着物の着方にもデザインとしての考え方や歴史があるようですが、もっとシステマチックに「汗をかかない」という着方も有名なものがあります。


「舞妓の高帯」「芸者の高帯」と呼ばれるもので、帯を胸高に締めるというスタイルです。
ファッションとみせかけて実用的な形というところが、どのような経緯でそうなったのか面白いところではあるのですが。
人体の自律反射の応用で「半側発汗(はんそくはっかん)」という理論を使ったものです。
半側発汗 – Wikipedia
半側発汗については現代医学でもいろいろと研究されていますが、汗を止めるツボや外部刺激というのが立証されていないため、古典医学での物理療法・鍼灸医学の部類の「東洋医学」とされています。
つまり、医学では正しくないとされ、ツボ療養などでは正しいとされる、不思議なポジションですね。
実際に圧迫することで汗を抑えることができるのですが、精密医療機器が無い時代に経験だけでこのようなロジックが生まれ、機能としてのデザインが継承されていくというのも興味深いです。

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