(C)ハイザラデザインコンペ事務局
昨年発売された「商店建築」2014年1月号にて結果発表されている「灰皿デザインコンペ2013」の受賞作が、どれも面白いです。
単純に「灰皿のプロダクトデザイン」というところではなく、「喫煙」というスタイルのデザインであり、そして分煙社会が望まれる世間の中でどのように喫煙者と非喫煙者の空間と時間と世界を構築していくかのデザインともいえるところが、よりデザインらしいといえますね。
デザインというのは問題解決。
「分煙」というキーワードからは単純に「喫煙スペース」と「非喫煙スペース」の物理的な空間分離が思い浮かぶところ。
その空間の違いは、灰皿が置かれているか置かれていないか。
この灰皿というシンボルの有無によって、喫煙できるかできないかを自己判断する材料にもなっているのではないでしょうか。
単純に空間分煙というところではなく、灰皿というプロダクトから文化や建造物の構造を変えるようなデザインが生まれてくるというところが面白いですね。
下記サイトに、結果が発表されています。
■灰皿デザインコンペ2013 ~これからの灰皿のデザイン~
http://haizaradesign.com/
Haizara Design Competition は、喫煙スペースに不可欠な「灰皿」の新しいデザインを広く募集するコンペティションです。喫煙の時間と空間をより快適で楽しいものにするためのデザインや、たばこを吸われる方、吸われない方の双方に受け入れてもらえるようなユニークなデザイン提案をお待ちしております。
それぞれの作品はアイデアや発想力にもとんでいて「なるほど!」と思うところが多いのですが、それにしてもその見せ方が勉強になります。
熟考され研ぎ澄まされたコンセプトに、キラリと光るセンス。
「欲しい」と思わせるコピーに、ライフスタイルの提案のあるプレゼンテーションシート。
うん、プレゼンテーションシートって大事だなぁ。
今度から書いてみようかなぁ。
嗜好品である煙草の存在と、喫煙という社会的にあまり良い印象を与えないものが、ユーモアや楽しさと、商品として成立し実現可能な確かなリアリティで描かれるというのは、デザインが起こす力だと思います。
こういう人の生活を進化させるような変革をもたらすデザインは感動的でもありますね。
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