沖縄拠点である「てぃーだスクエア」近くに丁度1年ほど前に開店した「軽食の店 ルビー」2号店。
定食に飢えていた僕にとっては、温かいご飯がワンコインで食べられるという沖縄のリアルに衝撃を受けたものでした。
味が美味しいかという点については、ちょっと置いておいて、あと、二度とその話題に触れないでください。
さて、このお店には僕にとっても思い入れがあります。
それは、「壁にかかった時計」です。
この壁かけ時計、僕にとっても因縁があるのです──。
沖縄での「ルビー」といえば、それは知らぬ人など居ない名店で、その2号店が会社近くにできるという発表があると、社内がちょっとした祭りになるような雰囲気でした。
そんな祭りに便乗するわけではないですが、僕も開店直後の混雑を避け、数日後に入店してみました。
2号店もルビー本店同様、入口入ってすぐの券売機で先に、メニューを決めて食券を購入します。
食券を店員さんに預け、テーブルに着きます。
この日は、そこそこ遅い時間でしたが、開店して数日ということもあって、テーブル席がいっぱいになるほどお客さんで賑わっていました。
お客さん達は口々にルビー(本店)の話題に触れ、これからの期待感のような、ルビーに月何回いくか、何歳から行っているかの自慢とか、そんな話が中心の少し高揚した雰囲気になっていました。
僕も、テーブル席でじっと座って待っていたのですが、とくにやることもなくスマホをいじっていました。
それでも、厨房からの焦るように料理する音、お客さんたちのざわめきというか、少しうるさいくらいの空気を周囲に感じるほど、店内は良い意味で熱く、しびれるような空気がありました。
そんな中に、ちょっとした違和感というか。
風が吹く中に、静寂があるというか。
場違いなくらいの上品そうな妙齢のご婦人が、隣のテーブルに座りました。
穏やかな顔で、あたりを見回し、少し考えにふけるような表情をしたり。
違和感があるのは上品さもそうなのですが、何をすることもなく、料理を待っているのか待ってないのかよく分からない落ち着きよう。最初、注文した料理がこないのかな、と思っていたのですが。店員さんも、そこにご婦人がいることに気づかないかのように、まるで空気を扱うかのようにするすると傍らをすり抜けていきます。
不思議に思っていたのですが、僕も料理が運ばれてきたのでうまいうまい言いながら食べていたのですが。
ふと顔を上げると、そのご婦人に声をかけられました。
最初は何を言っているのか分からないくらいの小さい声。
彼女は身振り手振りを交えて、質問してきました。
「もし時計があるとしたら、あっちか、こっちか、どっちがいい?」
彼女はそう言って、店の入口入って右手の壁と左手の壁を、上品に指さしました。
この質問は、どう意味だろう?
そういう疑問がわいたのですが、僕のクリエイティブもざわめきます。
「違うよ、マダム」
僕が選んだ答えは、どのどちらでもなく。自分の横の柱を指さしました。
どちらからも見ることができる店の真ん中がいい。
そうすると婦人は2つの選択肢での答えでは無い用意されていない答えに少し驚いたような表情を浮かべましたが、すぐに上品そうな微笑みを浮かべました。
目の奥の光は、僕という天才に出会えた喜びに、満足げでした(たぶん)。
ということで、ルビー2号店の壁掛け時計は、店の中央のこの柱の位置にあります。
後でなんとなく分かったのですが、このご婦人は、ルビーをここまで大きくした名物女性オーナーだったみたい。
そんなこと知らないから適当に答えたんだけど。
僕の気まぐれが実現することになるとは夢にも思ってなくて、再来店した時に思わず二度見したけど。
まぁ、そんなこんなで僕はルビーを応援します!
Aランチ。
トンカツ・ハンバーグというツートップを味わえるボリューム満点のプレート。
かなりお腹いっぱいになるけど、最後の方は油の量に飽きがはやい。
Cランチ。
ルビーに通いまくった僕が、後期に定着したメニュー。
Aランチ食べなくても、このCランチで充分のボリュームだと気づきました!
あと、沖縄では夜でも「ランチ」という文化があるんですよね。
浜松だとランチはお昼時限定のお得な格安メニューというイメージがあるのですが、沖縄では夜でも注文できることに最初はとまどいました。「ランチ=昼のみ」とインプットされてしまっているのですよね。
どちらのランチにも、このキャンベルスープがつきます。
ブラックペッパーを振りかけて食べると美味しいことに後半気づきました。
カツカレー。
Cランチさえも飽きた僕が見出した希望。
盛り付け方のワイルドさが気になるが、とても食べやすい。
ご飯とルーは分けてほしいな・・・。
ごろごろした溶けていない野菜がまるごと入っていて、洋風カレーになじんだ僕にとっては逆に新鮮。
生姜焼き定食。
カツカレーのボリュームにやられた末に行きついた最終兵器。
定食スタイルの上にお味噌汁も付属。家庭的な味に飢えている時期には大変お世話になりました。
味付けは濃く、ばくばくとご飯がすすみます。
お味噌汁。
今となってはあんまり味を覚えていない気がするけど、普通に美味しかったような。
ルビーは、味というよりボリュームと安さ、コストパフォーマンス。
店じまいが早い沖縄の中でも、少し遅くまで開いているので、とても助かります。
あんまり行く機会が無いと思うけど、応援しています!
ルビー 宜野湾店 (定食・食堂 / 宜野湾市)
夜総合点★★★☆☆ 3.0
コメント