哲学者プラトンが提唱した世界観に「イデア論」というものがあります。
■イデア論 – Wikipedia
イデアとは最高度に抽象的な完全不滅の実であり、感覚的事物はその影であるとする。イデアが存在しているのがイデア界(本質界)で、その陰が投影されているのがわれわれ人間の住む現実界となる。
例えば、現実の世界に、円形をした物はたくさん存在するが、いずれも完全な円ではないし円そのものでもない。しかし、これらの円の背後には永遠不変で、完璧、かつ抽象的な円のひな型であるイデアがあるとする。また、人間が花を見て美しいと感じるのは「美」というイデアが実在しており、個別の花に「美」のイデアが分有されているからである。ソクラテスとアリストテレスは違う存在であるが、共に「人間」のイデアを分有している。
すごく古い概念なのでいろんな矛盾点も抱えているのですが、僕はこの考え方は好きです。
どこかで人と繋がっている、どこかで想いが共有されているというのは素敵なことだと思います。
デザインをする上でも、イデア論を前提とするというか、教訓をするというか、とにかく気をつけることはあります。
「高級感を出してくれ」と頼まれて作ったサイトデザインがあったとき、
このサイトのこの商品を見た人はどう思うのだろう。
安っぽいと思うのか、高級感を感じてくれるのか。
「高級感」という感じ方を、見てくれた人が感じてくれなければ、ミッションは失敗したことになります。
僕らは表面的なモノを作るよりも、「高級」というイデアを構築するなり似通ったものを作っていくことで、万人に共通するイメージでのデザインを作ることができるのです。
配色なりレイアウトなりの手法やテクニックも必要なことなのですが、
僕はこういう目に見えない「イメージ」を創る方を大切にしたいと考えています。
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