分かりやすくするために使用した色が、かえって混乱を招く


水道の蛇口をひねる部分の、「青」が冷たい水、「赤」が熱湯。
そんな色分けは非常に分かりやすく、初めて使う人にも安心。
同じ効果を狙ってからか、よく「色分けすることで情報を分かりやすくする」的なやり方を目にすることがあるのですが、その色が持ってる情報自体がよく分からないことって多いですね。
色の組み合わせというのは手法としては簡単な部類で誰にでもできるデザインなのですが、受け取る側の感性にも左右されるので非常に定義が難しいところです。
単純に色分けさえすれば誰にでもわかりやすいデザインになり「ユニバーサルデザイン」だと考えている人も多いらしいのですが、微妙にズレています。

ユニバーサルデザイン(Universal Design、UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。

(– Wikipedia より抜粋)

上記の通り、障害者にも把握できるという定義があるため、色の見え方が一般と異なる(先天的な色覚異常、白内障、緑内障など) 人への配慮ができていないためです。


デザインには多方面からのアプローチがあり、正解もないのですが、万人に優しくなるように広く考えるものもあります。
色覚異常を持つ人への配慮した「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」。
大切なのは「色分けする」ことではなく、「配色」。
色弱者の色の見え方を正しく把握することで、誰にでも色の情報がきちんと伝わるよう、色使いに配慮したデザインの定義です。
カラーユニバーサルデザイン – Wikipedia
そんな世の中の動きを受けて、先日 DICグループの DICグラフィックス株式会社が、「カラーユニバーサルデザイン推奨配色セットガイドブック」を公開していました。
PDF形式で無料でダウンロードできます。
■カラーユニバーサルデザインとは? | DICグラフィックス株式会社
http://www.dic-graphics.co.jp/navi/color/ud.html
こういう資料だと、紙媒体に特化されていて WEB はないがしろにされているパターンが多いのですが、この資料には「画面用」として WEB 業界にも考慮された内容になっています。
キャリブレーションされていない一般の PCモニタでどれくらいの効果が見込めるのか疑問もあるのですが、配色に考慮して、なるべく多くの人に分かりやすく伝えられるようにしたいですね。
あと、色分けだけでなく、ピクトグラムなど図を使うことも大切。
ちなみに日本国内で初めて「ユニバーサルデザイン条例」が施行されたのは、我らが浜松市です。

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