踊る阿呆とアフォーダンス


自分を否定されるってどんな感じ?
僕が「尊敬する人」と聞かれて名前をあげるのは、アメリカの知覚心理学者ジェームズ・ギブソン(James Jerome Gibson)、そして同じくアメリカの認知心理学者ドナルド・ノーマン(Donald Arthur Norman)、そしてついでにデンマーク出身のヤコブ・ニールセン(Jakob Nielsen)。
3人に共通するのは、「認知心理学」という学問です。
認知心理学 – Wikipedia
情報処理の観点から生体の認知活動を研究するというこの学問は、20世紀前半、つまり10年前に初めて体系化され、学問として産ぶ声をあげたばかり。
今でこそ大学の単位として取得もでき、現代心理学の主体となってきていますが、まだ成熟していない感は否めません。やっと「認知心理学を勉強した」という卒業生が出てきたくらい。
WEBを初めて間もない頃の僕はフリーランスで、会社勤めで黙っていても給料が貰えるという立場になく、「お金を取りにいかないといけない」という必死さもあって、他人とは違う競争力を得ようとデザインの仕方に違うアプローチを加えようとしていました。
そこでたどり着いたのが哲学者プラトンが提唱した世界観「イデア」。
目の前の成果物を創作するのではなく、目の前の成果物を見た対象が頭の中に浮かべる『感想(イメージ)』を創作しようとすることで、結果的に対象(お客さん・利用者)の満足するデザインを創りあげるという自分なりの手法です。
■イデア、僕が浮かぶ海(過去記事:ブログ内リンク)
http://yasukawa.hamazo.tv/e1680548.html
そんな僕が出会ったのが認知心理学。
僕の中のデザイン哲学とも奇妙に合致したこの概念は、非常に面白いものでした。
その認知心理学の中でよく出てくるキーワードが「アフォーダンス(affordance)」。
先のギブソンの造語にして提唱した、環境が動物に対して与える「意味」のことです。
人間中心設計を提唱したドナルド・ノーマンは、この「アフォーダンス」というキーワードを用いてユーザビリティについて熱く語り論じたものですが、近年については、ノーマン本人自体がこの言葉を誤用していたと認めています。

特にデザイン領域においては、「人と物との関係性(本来の意味でのアフォーダンス)をユーザに伝達する事」平たく言えば「人をある行為に誘導するためのヒントを示す事」というような意味で使用される事がかなり多い。「わかりやすい引き手を取り付けることで、タンスが引いて開けるという動作をより強くアフォードする」等というニュアンスの記述もしばしば見られる。これらはギブソンの本来の意図からすれば全くの誤りである。この誤用を結果的に世に広めてしまったドナルド・ノーマン自身も後年にそれを認めており、「自分の著書において使用されているアフォーダンスという語については、本来のアフォーダンス(Real affordance)ではなく、知覚されたアフォーダンス(Perceived Affordance)と読むべきである」という旨のコメントをしている。
現状では特に注釈なくこれら二つが入り交じって使用されている(むしろノーマンによる誤用がより広く浸透している傾向がある)ため、十分な注意が必要である。

ちょwwww
 

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