ビュフォンの針と、頭でっかちデザイン


デザインとは感性なのか、計算なのか。
長らく語られるテーマだと思います。
どっちなのかというと──正直どっちでもいい話ですね。
サッカーにも個人なのか組織なのかみたいな議論ありますが、外野席の人が騒いでいるだけでプレーする側には全く関係ないです。自分が個人プレーなら個人で、組織プレーに自信があれば組織プレーするだけですね。表現の方法はいろいろだと思います。
さて、「ビュフォンの針」という実験をご存知でしょうか?
針と同じ長さの間隔の平行線の上に、針を投げ落とした場合、線と針が交差する確率はどのようになるかという確率を問う実験です。


確率 50%じゃね? と考えた人、あなたは僕です。
「重なる」「重ならない」の2つの結果しかないから、確率50%ですね。
──そんなわけないだろ。
頭だけでイメージして実際に実験をやらない・結果の絵を作らないと、こんな感じの発想です。
実際には、針と長さと向き(角度)が関係しますので、重なる重ならないの確率は 1/3 ほどになり、計算式も複雑です。確率論なので実証には相当面倒です。
ビュフォンという学者が実験したから「ビュフォンの針」なのですが、相当の暇人ですね。
ビュフォンの針 – Wikipedia

この実験結果の面白いところは、円周率が出現するところです。
実験結果では、πの近似値を得ていくことになります。
針と線の結果に円周率が出てくるって、現実世界の不思議さを感じませんか?
感覚ではなく、理論で画を考えると、分布された針が「重なる」という結果の画は、針の長さを半径とした円の連続。そこに円周率が絡むのは当然といえば当然なのですが。
数学的・理論的な発想をしていくと、見えてくるイメージも違ってきます。
感性なのか、計算なのか。
得られる結果が同じになるとしても、辿り着くアプローチは、数学的な発想の方が広がりがありそうです。実験経過上ではおそらく別のいろんなイメージや仮説がわらわらとイメージされるのではと思います。
下積みにより積み上げられる経験というのは、そんなかんじです。
経験でリアルに身体で覚えるか、計算式を立証して頭に叩き込むか、どちらかですね。

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