この画像は、何という文字に見えるでしょうか。
アルファベットの「B」だという人もいれば、数字の「13」だという人もいます。
認知心理学では、書き崩した文字、通称「Broken-B」を使った Jerome Seymour Bruner 達による有名な認知実験があります。
2つのグループに分け、前者には先にアルファベットの文字3つを順番に見せた後に「A」を、後者には数字3つを見せた後に「12」を提示し、その後にこの「Broken-B」を見せるというものです。結果、先行した例に引きずられた認識をする人が多いというものでした。
時折見かけるデザイン理論では「これはこうなってこう見えるからこうしろ」的な決定論が多いのですが、Bruner 達の理論では外部刺激による知覚誘導が立証されており、それ以前の体系化が否定されています。
デザインには、そのデザインにあった「基盤」や「歴史」のようなもので構成されるべきで、とってつけたような模倣などをしても効果が無いということですね。ブランドデザインも同じですね。
また、間違えて認識されないように前後のデザインを確認することも大切になります。
学術誌では「 Perceptual identification and perceptual organization 」という原題で、なかなか適した日本語が無いのですが、マーケティング業界では「文脈効果」という言われ方をしているそうです。
■Perceptual Identification and Perceptual Organization(英語)
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/00221309.1955.9710133
最近人気のTV番組「モニタリング」で、高級料理店で安価な大衆向きお菓子を皿に盛って出すとお客さんは高級料理だと感想を言うか、というのがあって面白いのです。雰囲気や環境に流されて「やっぱり素材が違うよね」と言う人も多いですね。雰囲気を作るデザインというのがマーケティング上で重要だということが分かります。
プロダクトでも使いやすさが分かりやすいように、WEBでもコンバージョンを上げるためのボタンの設置の仕方を他とは違うように目立たせるように、というのが大切です。
昔から知っているかのように製品を扱うことができ、WEBでは無自覚でもお問い合わせボタンを理解でき押しているような、そんなデザインが理想ですね。
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