天才ショパン、別れの曲

最近CMが終わったみたいだけど、意地の悪そうな中年女性が、『革命』のピアノ独奏をしていた若い娘に「あなたがショパンを口にするなんて百年早いわ!」と叫ぶチョコレートのCMがあった。
「僕は死にません!」のセリフも記憶に残る月9ドラマ『101回目のプロポーズ』では、主人公が好きな人に聞かせる為に一生懸命ピアノを練習する感動的なシーンがあった。
そのピアノ曲がショパンの「別れの曲」。
なぜラブストーリーなのに、ピアノの曲タイトルが『別れの曲』なのか?
当時、それがずっと不思議だった。
片思いの人に振り向いて欲しくて弾く曲が「別れの曲」?
その後、このタイトルはショパンが名付けたものではないことを知った。
1934年ショパンの恋愛と別れを描いた映画「La Chanson de L’Adieu(別れの曲)」で使われときにテーマ曲として、この名前が付いたらしい。(※リンクページ最下部)
この曲の正式なタイトルは無く、「12のエチュード」の「作品10-3ホ長調」。
エチュードとは「練習曲」の意味で、ピアノの演奏技術を高めるために作られた練習用の基礎楽曲。
これはどまでに心を動かす優美な旋律が単なる練習のために書かれた曲だということを知った時の僕のショックは大きかった。
ショパンはまごうことなき天才だが、デザインの世界において天才と呼ばれる人物は、過去の偉人をひっくるめても存在しないと自分では感じている。
名画は目の前の物や情景を正確にコピーしただけと考えられることもできるし、奇抜なレイアウトや意味の無いデザインは、無能を曝け出す下らない手法にすぎない。
デザインの世界に『天才』はいらない。
悲しみや痛さを美しさに昇華させる才能は必要ない。
必要なのは美しいものを美しく、単純に整理できる力。
WEBデザイナーなら、PCやプログラム、サーバの知識も必要だ。
それができないなら、DTPでも彫刻家でも、好きな道へ進めばいい。
PCというツールを「道具」とする以上、WEB関連技術は当然必須だと思う。
とりあえず、やること学ぶことはたくさんある。

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