レトロな館内放送系端末ラックのデザインが今更だけどカッコいい


大規模な施設などでよく見かける、館内放送系端末の集合ラック。整然として美しい。
現代技術では基板からコンパクトになっているのでこのようなタワー型っぽい形のものはもう生産されることはないと思いますが、今となってはレトロでデザイン的にもかっこいいと思います。
といいつつ、僕もこういうの見る機会ないから馴染みなかったりするんですけど。
このラックには、防災警報コントロール、チャイム(時報)、館内放送MIX、BGM用有線放送、etc..という機能設備が入ってるみたいです。設定を触らせてもらったけど、いまいち理解できてる部分少ない。


面白いのは、社内の電話機と連携して館内放送ができるシステム。
大体オフィスで使われているのは15万円以上する高価なビジネスホンでは複数電話回線が使えるというメリットの他に、無駄に多いボタンが整然と並んでいます。そのうちの1つのボタンに館内放送を割りあてることで、外線からかかってきたどこにいるか分からない社内の人を放送で呼び出せる(電話は保留状態になり、社内の担当者はどの場所に設置された電話機からも点滅するボタンを押すことで通話ができる。数十秒以内に出なければ警告音が保留ボタンを押した端末で鳴るので、その人は担当がお客様に出られない旨を伝える)、というのは、「改めて携帯電話にかけて」よりもお客様に優しいと思います。
こういう機能って通常のオフィスには無く、広い施設ならではの機能だと思うのですが、「1人1台携帯電話」という今どきの考え方と対になる、面白い社内インフラ設計ですね。
特にスマートフォンという通信装置にデジタルカメラが実装されてしまっている現代においては、開発情報の漏洩というリスクが減るので、メーカー的には最良の社外からの電話対応デザインなのかと思います。

もうひとつ、ユーザーインターフェースについて。
現代の UI は「いかにボタンを少なくして美しくするか」みたいな概念があり、それこそ時間を合わせるために時刻(1時から24時まで)を設定するために最大20回以上もボタンを叩かなくてはならないものもあり、余計面倒な設計だな、というものもあるのですが。
この UI なんてよく考えられていて(表記も日本語だし)、唸ってしまう作りです。これがひと昔に作られていると思うと、なんだか UI/UX って退化してるのかなという気も。なんというか、昔ながらのプロダクトの作り方というか、熱意をもって繰り返し繰り返し試行錯誤して完成させた感じ? 現代だとブラック認定だけど。
UIデザインの考え方にはいろいろあると思うのですが、iPhone などは初見で分かりやすい UI。Android 等は詳細な設定が簡単になるように考えられていると思うのですが、この端末の場合は工業製品ならではのスペースの制約を適切な物理スイッチの種類で分けることで直感的に把握できるようにした部分があり、先人の智慧を感じさせます。
あと当時の高級機なのかもしれないけど、作りがすごいしっかりしていて、それが分かりやすいのはボタンの耐久性などでぐっと押し込んだ感じが不安が無い感触がするんですよね。どうなってるのか分解意欲をそそられます。


2014/08/01
失敗する最強UI・成功する最強UI
ナビゲーションで、ボタンが縦横に整然と並んでいる UI が大嫌い。


2014/06/04
ゴールの無い人生。エスノグラフィーによるデザイン
紙媒体と違うところ。WEB ってすごく「数字」が大事。アクセスログがサーバーに残るので、データからの解析が容易でアクセス解析がしやすいのでしょうね。コミュニケーションデザイン、情報デザインに加えて、UI 設計の要素を取り入れる WEB では、人間中心設計が広まりすぎた経緯がりあります。WEB の主流で…


2014/09/26
親指問題からこの先生き残るには
何かと周囲でも話題の iPhone6 ですが、その大きさについては皆が疑問に思うところのような気がしている。周囲でも「iPad mini の小さい版だと思って使う」や「電話機よりはまだまだ小さいから大丈夫」と強気なポジティブ発言も聞こえてきます。日増しに大きくなる画面サイズは、小型犬だと思って飼ってみた子…


コメント

タイトルとURLをコピーしました