たったひとつの数式から無限に広がる模様があります。
マンデルブロ集合(Mandelbrot set)。複素平面上の集合が作り出すフラクタル図形です。
「フラクタル」といってもフラクタルという言葉自体がマンデルブロ自身の造語だから、なんの説明にもなってないけど。
どこまでも拡大しても平坦な線が現れない。
そしていつか図形全体と同じような形が現れる。
ただし完全に同じにならずに、微妙に形が違う。
・・・という、なんだかポエムちっくな、図形なのです。
そんな複雑な神々しい図形が、ひとつの短い数式から表現できてしまうというのは驚きですね。
■マンデルブロ集合 – Wikipedia
■フラクタル – Wikipedia
上の説明で実際のマンデルブロ集合の図式が見られると思います。
無機質で人工的な冷たい数式から、このように不規則に跳ね回るラインの有機的にも見える絵が出来上がるというのは不思議です。
その描画における過程から神秘的な図形ではあるのですが、はっきりいって人知をこえた図形であることに変わりはなく。
対称性、黄金比、フィボナッチ数列など美術に関する数学的なアプローチは非常に多いのですが、それらのほとんどは安定性を説明する結果論からの推測であり、フラクタル図式のようなビジュアルを創造する芸術技法としては珍しい。
数式で表せるということは、そこには規則性があります。
「ルール」があるのです。
たとえば外国人は日本を美しい、と言う。
ただし日本人には日本の美しさは理解できない。
不思議なのですが、実際にそうです。
「美」がわかりにくいとよく言われていますが、単に比較する概念が無いからという単なる経験不足。
知らないことを知ることで大きく成長する。
開けたことのないドアを開けるだけ、行ったことのない場所にいくだけ、趣味ではない本を読むだけ、繋がりの無い知らない人と会話するだけ。
そんな単純な規則で、いままでの規則性を打ち破る有機的な自分自身を得ることができる。
クリエイティブの成果物には、人生が反映されます。
自分のイマジネーション・アイデアが過去の偉人のパクリではないことを証明したい、そんな獰猛で勇敢な個性の人生を送るため。
ぼくらは多くを知るという行動力と、真摯に教えを乞うという素直さを胸に抱いていく必要がありますね。
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