ゴールの無い人生。エスノグラフィーによるデザイン


紙媒体と違うところ。WEB ってすごく「数字」が大事。
アクセスログがサーバーに残るので、データからの解析が容易でアクセス解析がしやすいのでしょうね。
コミュニケーションデザイン、情報デザインに加えて、UI 設計の要素を取り入れる WEB では、人間中心設計が広まりすぎた経緯がりあります。
WEB の主流では、単に設計者が予測しログによる解析をするという、主観デザインが多いそうですが、どんな数字でもって最適化しているということになるでしょうか。
それでは見ているのは、「数字」だけ。
仮定と結果だけで、実際の「人」のアクションを見ることができていないですね。


イノベーション関連のキーワードとしてよく聞く、エスノグラフィーという概念。
デザイン分野ではよく使われるのですが、「可視化」の意味を持つ言葉です。
ethno は「エスニック」などの言葉で聞き慣れている「民族」の意味。
graphy は「グラフ」などの言葉で聞き慣れる「記述するもの」の意味。
併せて、Ethnography です。
多様化され出尽くした感のある世界の中で、新しいサービスやデザインが生まれるには、非常に苦しい道程があると考えている人も多いと思うのですが。
フィールドワークでの行動観察やインタビューを通して、人間の体験を把握することで潜在ニーズを可視化。
価値観を言語や図として見えるようにすることで、発見を促す、仮説発見型アプローチです。
デザイン分野で広く利用されるのは、その相性。
フィールドワークを多用するデザイナーは、プライベートで探索に似た行動をするので、より発見や気づきをしやすいと言われています。
そもそも問題提起をおこさなければ問題解決をすることができないデザイナーにとっては、身近なアプローチ手法ということですね。

エスノグラフィーでは、マーケッターと呼ばれる人たちが得意とする平均的な客層ではなく、彼らが無視するような両極端な人から「気づき」を得ます。
「なぜ」「どうして」。
事象や人の行動には、必ず「意味」がついてきます。
その意味を把握するのが、エスノグラフィーです。
ここでは、仮説や思い込みは一切持ち込みません。
事実だけを記録し、人の体験を把握する。
意味を確認し、結果となる行為との関連性を探ります。
あとは、アクセス解析と同様に、あらゆる分析法を用いて答えを導いていくだけ。
大事なのは、普段からの生活。
新しき場所に出かけ、知らないものに出会い、新しき人と話す。
面白い仕事を作り出すのは、面白い自分の生活。

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