デザインという仕事は、いろんなことに詳しくなっていきます。
相手先の商品・サービスのこと、企業の背景のことまでもよく知らなければ、良い成果物ができないからです。
このへんが、同じ作る仕事といえども、技術系のシステム職務の人と圧倒的に違うところになるんでしょうか。
営業・マーケティングという職務の人は、最初から人に向いた性質の仕事ですけど。
WEBデザインもデジタルデータを扱うので、デジタルコピーや制作ツールの使い方を知っているオペレーター型のWEBデザイナーが氾濫した花形時代もありましたが、今やすっかり淘汰された状態。
はっきりと明暗が分かれてしまい、昨今は「WEBデザイナー」という職務も減少傾向にあるようです。
市場では、もっと提案型で、より知識の深いクリエイティブな仕事が求められるようになっています。
そんな中で、グッドデザイン賞も受賞した、シンプルな形状で人気の LED デスクライト『STROKE』を作った家電メーカーが、実は、企画、デザイン、製造、販売までをたった1人のエンジニアが行う「ひとり家電メーカー」だったという記事を目にして、衝撃を受けました。
■Bsize,ビーサイズ
http://www.bsize.com/
脱サラし独立したエンジニアが、「家電メーカー」をたったの1人で経営してしまうという現実と、そんなことが可能なのか! という衝撃が強いですが・・・。
っていうか、自身での製造や販路確保を含めて自分でできちゃうの? というところが驚き。
あとデザインに関しても後天的に習得できるものなの? というところは大変興味深い。
「ひとり家電メーカー」が立ち上がるまでの詳しいストーリーについては、「ひとり家電メーカー」というキーワードで検索すると、たくさんのインタビュー記事がでてきます。
■Bsize Part1:ひとり家電メーカーの、未来型ものづくりへの挑戦。|神奈川県 小田原市|「colocal コロカル」ローカルを学ぶ・暮らす・旅する
http://colocal.jp/topics/think-japan/kaijirushi/20130702_20906.html
■“一人家電メーカー”が魅力的な製品を生み出せる理由|【Tech総研】
http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=002471
■創業融資のご相談なら日本政策金融公庫 国民生活事業 ドリームゲートプラザ
http://financing.dreamgate.gr.jp/case/294/
一言で現せばサクセスストーリーというわけでもなく、ドラマチックな会社設立話でもなく。
なんというか、飄々とした中の「モノづくり」への熱い情熱という信念のストーリー。そんな感じなのでしょうか。
ただ自分が欲しいと思ったものを、世の中のライフスタイルを変えてしまうようなものを作りたい。
そんな自由精神が具現化してプロダクトとなるような、カジュアルとタフさを感じます。
作りたいものがあれば、異分野と思ってもそれに向けて勉強し、技術を習得する。異分野を応用する。
優れたクリエイターと呼ばれる人たちが、あらゆる面での万能の「天才」になりうるのは、こういう泥臭さとヒアリング能力や「気づき」の才能があるからではないでしょうか。
僕はデザイナーの目標にしてクリエイターの最終理想人物像は、ダ・ヴィンチだと勝手に思っています。
彫刻・絵画・音楽・数学とあらゆる面で結果を残した天才。
「万能人」という異名を持ち、博学者であり、「飽くなき探究心」と「尽きることのない独創性」を兼ね備えた人物。
才能を持ってないなら勉強する努力をする。
才能を持って生まれたなら、それを使う努力をする。
凡人も天才も久しく同等の努力です。
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