タイの地下鉄で、想う。


今週土曜も出社のため、地下鉄(MRT)の駅へ。
通勤途中にスラムっぽい市場の中を歩いていると、タイに来て初めての雨。
もともと雨に濡れるのは平気で雨具を持ち歩いたことはないのですが、この日は PC を持っていたので、濡らさないために軒先をお借りして雨宿り。
熱帯地方ならすぐに雨が止むかな、と考えていたのだけど、10分ほどで小降りになったので、いそいそと駅へと移動。
駅への入口に、濡れた床に気を付けろ、手元のベルトをちゃんと掴めと書いてあるっぽい立て看板が出ていました。
あと靴底を拭く用途っぽい布地も。
これは人に優しい。


地下鉄の出口にも同じようなことが書かれた立て看板があったので、タイでは雨が降ったら看板を出すみたい。
日本だともっとクールで滑って転んだら自己責任みたいなところがあるけど、タイの駅関係の人は優しいですね。

ちゃんと傘を入れるビニール袋も用意。
ただ、タイ語だけじゃなく英語も対応してほしいところだけど・・・。
国際都市バンコクにいると英語が身近にあるのが当たり前の感覚になってしまうけど、地元の言語でしか書かない気づかないというのは、通常の人間の思考だと思う。僕も浜松だけで仕事してて、この看板を作ったら日本語だけで書いてたと思うし。
結局、実体験でしかクリエイティブはできないという当たり前のことが現実に把握できた感じ。
仕事柄いろんな人も見ていろんな人の能力も見てきたけど、これからの業界はクリエイターとオペレーターに分かれた業務・給料体系になっていく気がする。
そんなことがあって、今日路線図を見ていて気づいたのだけど。
タイ語が読めないので英語の駅名をいつも読んでいるのだけど、駅内の放送での駅名がどうしても聞き取れなくて。
なんでだろうと思っていたら、この駅だけ英語名とタイ語の駅名が違うことに気づいた。
 英語:「Queen Sirikit Convention Center」
 タイ語:「スーンプラクームヘンチャートシリキット」
そりゃ聞き取れんわ。
そしてタイ語読めないから、現地ではそんな名前だったことも気づかなかった。
っていうか、ここはタイ語のほうでも英語表記を使っておくべきではないのだろうか。
文字と音の違いがないようにルールを作って統一するのもインバウンドでは必要だな、と思った。
いろいろ気づかされるな。
ブリティッシュデザインの真髄、ヘンリー・ベックの地下鉄ダイアグラムは世界中で当たり前になりつつある優れたデザインだと思うけど、多言語化の文化がそのオリジナル性には近づいていない。

地下鉄・路線図のデザインは奥深い、と気づかされる記事はこちら

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