アーオーショー|ベトナム版シルク・ド・ソレイユで新しい伝統文化に出会う


世界で話題になっている「アーオーショーA ? Show / A O Show)」を観にベトナムに行ってきました!
元シルク・ド・ソレイユだったトゥアン・レー監督が指揮をとるエンターテイメントということで、このアーオーショーだけを観に世界中のセレブがベトナムに訪れるのだとか。この日も、ほとんどの来場者が欧米人で、国際色豊かな場となっていました。
「アーオー(AO)」とは、ベトナム語の「村」と「街」の言葉の母音から作った造語で、「あぁ!」「おお!」というような感嘆詞を呟きながら見てほしいという願いも込められているみたい。
アーオーショーの内容はベトナムの歴史を表現していて、村ができて街ができていくようなベトナム人のライフスタイルを、時には情緒的に、時にはコミカルに、舞台演出で楽しませてくれるサーカスのような現代アートエンターテイメントです。
劇中セリフは無く、アカペラか民族楽器による荘厳な音楽、あとは打撃音だけで構成されているので国籍・年齢を問わず楽しめます。



このショーが開催される場所がまたエレガント。
国会遺跡として登録された重要文化財で、普段は入場できない場所なんだそうです!
アーオーショーによってベトナムの歴史や文化を知ることができるため、欧米人旅行客を中心に話題になっていて、斬新な舞台演出なこともあり、当日券は手に入らないそうです。
インバウンドの視点で考えれば、素晴らしいコンテンツですね・・・。
アートで国外からお客様を呼べるって、すごい!

この建物は、ホーチミン市の市民劇場、通称「サイゴン・オペラハウス(Saigon Opera House)」。
市民劇場という名前からも分かるように、世界規模で考えたら小さい施設の部類に入るのですが、高名なコンサートなどが開催される超重要なランドマークです。

フランス植民地時代に建築されたため、装飾にバロック様式が見られます。

特にライトアップされた姿が、美しいですね。

まるで美術館に入っているかのよう。
状態が良く綺麗すぎて新しいように見えるのは、ベトナム戦争によって破壊されたものを修復したものだからだそうです。


天井は高く、神聖っぽい空気が漂っているようにも感じますが、クーラーが非常に効いていて寒いせいです、たぶん。
これだけの巨大な空間を冷やす空調なわけですから、相当な性能だと伺えます。


普段は入れない場所ですので、テラスに出て外を眺めてみたり。


席はこのへん。
チケットは、前もってベトナム入りしていた我謝さんが取ってくれていました。
まだ数週間しか滞在していないはずなのに、素晴らしいアテンド。
こういう才能は僕にはないので、羨ましいというか。べ、別にその才能いらないけどね!
安い席が完売のため、アップグレードしてくれたそうです。

アーオーショーがはじまるまでの間に、少し中を見て回ります。
修復さえているといっても、フランスでしか見られないような建築物が目の前にあるというのは興奮します。

日本の映画館だと映画が始まる前に「携帯きってね、カメラ禁止ね」という映像が流れるのが通例ですが、さすがのパフォーマンスを見せるアーオーショー、開演前に階上のテラス席や窓からスタッフが飛び出してきて、一斉に各国の挨拶を言ったかと思うと全員でコミカルに注意事項を説明するような演出もあり、さすがだと思いました。最初からワクワクさせてくれます。



アーオーショーの開演中は当然撮影禁止なので画像が無いのですが、この記事の一番最後に紹介ムービーを貼り付けているので、それを見れば一目瞭然です。
簡単に言葉で表すなら、エネルギッシュであり、ロマンチックであり、コケティッシュな舞台。
若い少年少女たちが、生命力あふれる肉体と笑顔で舞台上を駆け回り、その身体能力で地面を蹴り空を舞い、アクロバティックな動きで観客を魅了します。躍動感あふれる彼らの動きは、こちらまで元気をもらえそうなほどです。
民族楽器の神秘的な旋律があるかと思えば、現代ベトナムの騒々しさを面白おかしく伝えるようなシーン、ユーモアな動きで笑いをとりにく場面などもあり飽きさせません。
かと思うと、静寂な動きでは、背景にベトナムの情景が見えてくるかのような情緒を感じさせます。
籠や竹竿などのシンプルな小道具を使うのですが、その使い方がうまく、ベトナムの昔の姿が見えてくるような不思議な感覚がします。うまく説明できないけど、彼らの後ろにベトナムの姿が見えてくるのです。
砂丘や海から、そして現代都市のベトナム。創世記であろう神々しいシーンがあれば、通勤ラッシュの姿まで。
下手にセットを汲むのではなく、そのへんにあるような(そしてベトナムで普及しているベトナムを表現するような)小道具をうまく使い、顧客にイメージさせるというアーオーショーの手法は面白いです。
特に籠が上空に吊るされてくるくると回っているシーンでは、夜空に浮かぶ月が目の前にあるかのような錯覚をするほど美しいです。とにかく舞台上の少年や少女が、強く優しく、そして儚げで美しい。
舞台演出の底力というか、アートの素晴らしさを感じました。
アーオーショー、ベトナムに行ってでも絶対に見ておいたほうがいいですよ!

フィナーレでは、スタッフが観客席の真ん中を出口に向かって走り抜けていくという演出を見せるのですが、その後スタッフたちは、劇場の階段のところにポーズを取りながら座って待っているので、観客が帰り際に一緒に記念撮影ができるという仕掛けまで?。サービスという面からも非常に考え抜かれた、素晴らしいショーになっています。最初から最後まで圧倒されますね。
■A O Show Saigon : An acrobatics show, using only bamboo to depicts the beauty of Vietnam's culture. Live at the Opera House | Home(公式・英語)
http://www.aoshowsaigon.com/en


■動画:http://youtu.be/HinRh8bmTWg

■トレイラー:http://youtu.be/SP3q-pjY4g4

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