割れないシャボン玉を、自分の部屋の照明に。ペンダントライト「IRIS」


(C)neocraft.com
ドイツのデザインチーム「Neo/Craft」のデザインしたペンダントライト「IRIS(アイリス)」が美しい。欲しい。
「IRIS(アイリス)」は、ボール型のペンダントライトで、表面加工にガラスとマルチカラーを実現したものです。
マルチカラーというのは、俗に言えば 7 色に光り輝くということ。
この球体ペンダントライトのコンセプトは、「シャボン玉」。
触れば壊れやすく、触れば短命で儚く、どうしても手に届かないシャボン玉。
それが、職人さんの技術によって、割れないシャボン玉がついに実現したのです!
しかもこれが、部屋の天井からぶら下がって、きらめき光り輝いているというのですよ。
これはもう久々に欲しくてたまらない・・・。


ちなみにこのプロダクトは、2014年レクサスデザイン賞、2015年インテリア・イノベーション賞と、既にいくつかの賞を受賞しています。
The Iris pendant lamp appears like a permanent, iridescent soap bubble.(公式・英語)
http://en.neocraft.com/product/iris/

The Iris pendant light appears like a permanent iridescent soap bubble. It is the result of ambitious craftsmanship and technological innovation. An OLED module provides both the light source and mount, with an iridescent film creating the impression of ever-changing colours, both in the light emitted and its reflection.

「割れないシャボン玉」をシャボン玉を再現した材質が気になるところですが、これはダイクロイック・コーティングという技術でガラスに吹きつけられたフィルムだそうです。
ガラスのような単純で均一な表面に原子を定着させるというのは、素人の頭でも難しそうと分かります。
調べてみてもよく分からないけど、ダイクロイック・コーティングというのは誘電体の薄膜を鏡面に多層形成する技術みたい。波長によって透過と反射を分けてることでプリズム化しているようです。
シャボン玉の透明さと多彩さを表現するには、光の入射角度によって変調するプリズム光を生み出しているのだとか。
内部の光源は有機発光ダイオード(OLED)のモジュールで、ダイオード自らの発光とコーティングの反射光によって、奥深く立体的な7色の色調が生まれているようです。
書いてて自分でもさっぱり分かりませんが。
でも実物見て触ってみたい! どんな風に見えてるんだろ。っていうか、他の技術にも応用できるよね。
ただ、特殊な光学素材をガラスに吹き付けるために、シャボン玉のような美しいガラスの精製が必要で、そのために吹きガラス職人が協力して試行錯誤の連続だったらしい。
つまり、
ダイクロイック・コーティングという先進的な新技術と。
拭きガラスという伝統的な古くから受け継がれる技とが。
野心的な現代技術と伝統的な職人の技。
それらが融合することによって生まれ、新しい時代も古い時代も共生させた、技術革新によるプロダクトということです。
それが、虚ろで割れやすいシャボン玉を現世に固定し、夢を実現させるようなプロダクトだったというのは、本当に素敵で美しいことだと思います。
この新しいデザインの照明は、来月にも発売されるみたい。
値段がまだまだ高価そうだけど、いつか手に入れてみたい、そんなデザインですね。
(参考)Story Presents: Creativity – Cool Hunting
http://www.coolhunting.com/design/lexus-design-awards-creativity-at-story-shop

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