WEBフォントで企業ブランド戦略

WEBフォントは時期尚早だそうなぁ、と思っていたのですけど、モリサワが立ち上げたスペシャルサイトで「無料キャンペーン」をやっているというので、さっそく登録して試してみた。
■オープン記念¥0キャンペーン実施中| TypeSquare [タイプスクウェア]
http://typesquare.com/news/view
このブログに設定してみましたけど、表示されてから反映されるまでタイムラグがあって、少しよくないですね。
まぁあんまりブログで使う技術じゃないかもなのでレスポンスを期待してはいけないかもですが。
さて、そんな「WEBフォント」とは。
読んで字のごとく、WEB上でフォントを使う技術です。
フォントというのは、WEBをやっている人にはアンタッチャブルな技術で。
WEBデザイナーが「デザイン」の名を与えられながらも、なぜか異業種からの転職者が多いという事実は、手芸・工芸といった細かな技巧より、デジタルデータの加工などのパソコン知識といったテクニカルな技術的な傾向が強いのが理由ともいえます。
そもそもWEB以前のコミュニケーションデザイン、すなわち紙媒体などのメディアでは、文字(フォント)を最小限のデザイン単位としており、文字(フォント)が情報デザインとして構築されていました。
(参考)ヨハネス・グーテンベルク – Wikipedia
しかしWEBでは文字の外観までをデザインに取り入れることができない状態で、そのためビジュアルとしての要素を持つことができませんでした。
正直なところ、WEB上には「最小単位でのデザイン要素が無かった」という状態なのです。
パンフレットやカタログなど印刷物ではブランドを伝えることができたのに、WEBではそれが難しかったのにはそんな理由があります。
知り合いがいなくても、あの会社はこうだなっていうイメージが誰にもあると思います。
前職なら「自由」「個性的」「最先端」というイメージを外部の方は持っているのではないでしょうか。
企業は CI(コーポレート・アイデンティティ)・VI(ビジュアル・アイデンティティ)といったルールに基づき、「会社のイメージづくり」をしていて、戦略的に「企業の個性」を利用し、競合他社との差をつけ強みを発揮しようとしています。つまり、「企業ブランド」です。
この企業ブランドがあるからこそ、不特定多数の人に、ブレることのない強い会社のイメージを与えています。
今まで web では、タイトルや見出しといった文字を画像にすることで、ページのデザイン→ブランドイメージを構築していました。
しかし WEB フォントの登場により、WEBサイトに画像をのせることなく多彩なフォント表現が可能になり、企業ブランドの伝達を浸透させることができるようになったのです。
今後、WEBデザイナーという職業の新人は、ちょっと違ったスキルの人になりそうですね。
そうそう、このWEB上のフォント問題で企業が苦しんでいる時に、唯一といっていいですが成功した企業があります。
みなさん大好き、Mac や iPhone のメーカーである Apple です。
どうしてかの理由は非常に簡単で、最初からパソコンに自分の企業のブランドフォントを入れて出荷すればいいだけです。
コーポレートサイトを表示した時に、そのフォントで表示させれば良いので。
Apple は「 Myriad(ミリアド)」という名前のフォントをブランドフォントに設定しているのですが、可愛らしくもあり、上品で優しい曲線と現代を感じさせるプロポーションは、Apple の製品イメージそのものとリンクしていますね。
Windows の Micorosoft も同様のイメージ戦略ができたはずなんですけど、こちらは当時は「Verdana」日本では「MSゴシック」が武骨で本当にマイクロソフト製品そのままのイメージでしたよね(笑)。デザイン戦略が多少遅れたというか。今なら「メイリオ」という今風の素晴らしいフォントがありますけど。
 

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