名古屋にあるイタリアンの一流店「イザーレ・シュウ」。
■Issare shu – 名古屋ヒルトンB1F 本格イタリアンのイザーレ・シュウ
http://sawasen.com/issare/
この「イザーレ・シュウ」は、テレビ番組「料理の鉄人」と大麻騒動・人身事故でメディアでもおなじみリストランテ・ヒロの山田宏巳シェフの一番弟子、水口秀介シェフの店とのこと。
僕の時代では、デートと言えば「イタ飯(めし)」。あ、なんか懐かしい響き。
その頃の世間はバブル時代で、イタリアンブームが巻き起こっていて、その中心に居たのが山田宏巳シェフ。
山田シェフはその後、天才が陥りやすい天狗になる病気で相次ぐ不祥事を起こし、料理界から抹消されていて、こんなところで名前を聞くことになるとは思わなかった。
そして水口シェフのプロフィールも、現在WEBサイトからは消されており、そんな「師匠との関連性」をなかったことにしようとしているようにも見える。
ただ、僕の中での名古屋のイタリアンといえば、前にも記事している通り、サルバトーレ・クオモの「ザ・キッチン」がベストチョイス。
そっちで食べたかったなぁ、と思いながら扉をくぐったのでした。
ただこのお店は半地下なので、景観はあんまり良くないです。
というか、有名店だからか、近くを通り過ぎる人がやたら見てくるので、よく目が合います。
窓の外には小さな庭のように樹木が植えられていて、半地下のこともあり通行人を直接目にするようなことはありません。
ただ、猫が普通に歩いてきてその樹木の中で寝ころんだ時は、窓際の客は騒然となってましたけど。
騒然というか、かわいいと騒いでただけですけど。きれいな猫だったので飼い猫だと思うのですが、こんな街中でどこの猫なんだろう。
この小さな庭、樹も見事なのですが、気になるポイントは、うさぎの彫刻。
間接照明で照らされると、背後の球体にうさぎの影が映るのですが、それが月のように見えて神秘的。
これはインスピレーションがわくような、クリエイティブなアイデアでした。刺激を受けた。
アミューズは最初から置かれていたような? ちょっといつ出されたか記憶にない。
そういえば、ここは食器類は、出てくる料理ごとに総取り換えするという、気合の入れようでした。
カジュアルな店が多くなってナイフもフォークも使い続けるところが多いこの頃ですが、いちいち取り替えに来る店は久々でした。
黄色い液体はパン用のオリーブオイルです。
料理が出てくるまで、どうぞ、と軽いのも出してくれました。
実際には怒涛のスピードで出てきたので、全く待ちませんでしたが。
丸っこいのは、パンの中にオリーブのピクルスを入れたもの。
上品ですが、僕はオリーブが苦手。
その向こうに見える餃子みたいなのは、ラビオリを揚げたもの。こちらは食べやすかった。
アボガドの冷製スープと、添えられているのは一口で食べてしまったので忘れた。
スープは、一気飲みでもできそうなグラスに入っているので、これも一口。
器が可愛いですね。
自家製フォッカチャ。店内で焼いてるそうです。
トマトとパルメザンチーズを練り上げたのは、甘くておやつっぽい。
岩塩をつけて焼き上げたものは、フランスパンっぽい感じ。
ビーツのラビオリとアサリ。
この組み合わせって、なんか意外。いきなり発想力を見せつけられた感じ。
こういうのを見ると、自分が普通だと思ってた概念が覆されて、新しいものが見えてくる。
前菜の野菜。
ソース代わりにカラスミがかかってる。これも面白い発想。
マスカルポーネチーズが添えられていて、これと一緒に食べたり。いろんな楽しみ方があるけど、普通にシャキシャキした野菜が美味しい。
最初のパスタ。
かぼすと茄子の冷製パスタ。これも面白いなぁ。
元々薄味で構成されているので、野菜の美味しさを再確認しながら食べる感じ。
僕にはちょっと酸っぱく感じた。
普通のバケットも焼けたので・・・と持ってきてくれた。
パン類の評価が高い店のようだけど、僕の好きな感じではなかった。もっと荒々しくてごつごつした皮をバリバリさせて噛みついて、中のふっくらしたところをはむはむするような、そんなバケットが好き。
ホテルバター派の僕には、オリーブオイルだとちょっと物足りない。
バターをもらおうかなぁ、とも考えたけど、この店の提案する形で食べてみたいと思いなおして我慢。
フォアグラ。
このフレッシュフォアグラ、かなりの上質だった。ここ最近食べた中でも最高級。
ぺろりといけた。
穴子を揚げたもの。
これも美味しかった。ソースは1品につき数種類添えられていて、自分好みに遊べるようになってた。
シェフがピリ辛が好きなのか、辛めのものが多かった。
パスタ2品目。海老とフルーツトマトのパスタ。
ほとんどソースのないパスタで、食感を楽しみながら。
海老の具をとるスプーンみたいなの付いてきたけど、そんな必要も無くうまい具合に取れるようになってた。
フィンガーボール。
ここ最近見かけたくなったけど、久しぶりに見た。そして久々使ってみた。
なんかバブル時代を思い出しますね。
お肉とヤングコーン。
綺麗なビジュアルですね。っていうか、お肉の焼き方がキレイすぎる。
ヤングコーンは「ひげ」の部分を食べられるのを知って迷ったけど、たぶんこれは器だろうな・・・と思って食べなかった。正解は知らない。
そしてデザート。桃のまるごとコンポート、ジュレ添え。豪快だ!
ナイフとフォークを駆使するデザートも初めての体験だぜぇ。
どのへんまで芯を残すべきなのか、しばらく格闘したけど、ある程度で諦めた。
食後にコーヒー。このコーヒー、かなり美味しかった。
食後のお菓子。
先輩はいつも通り、グラッパを楽しんでた。
そういえば、お店の人がお酒を出すときに、「シェフの気まぐれソース」とかの場合は、本当に気まぐれでソースを作るので、料理に合うお酒がなんなのか、出てくるまで判断できないと言ってた(笑)。
全体的な感想としては、薄味で上品なので、ちょっと年齢層が高めな女性を意識した店かな、と。
良い食材を使って、味付けというより、食材そのものの味を活かすような造りで、好みが分かれる味かなと思う。
ただお皿に盛りつけられた料理はどれも美しく、これだけでも一見の価値はあります。
お店のスタッフの対応はやや硬く、律儀な対応と言うか無駄が無い会話というか。
伝えるべきことを伝えたら、さっと邪魔にならないように下がる感じ。
あと、厨房はオープンではないのですが、派手に何かを落としている音が聞こえてきて、バックヤードは整理されておらず、相当散らかっているんだろうなと想像した。
お酒に関してはあんまり造詣が深そうに見えないような? 感じはした。
もうちょっと料理に関する薀蓄みたいなの言ってくれてもいいんじゃないかな、と思う。
値段的には名古屋の一等地なのに、そこそこ安めかな、と。
というか、浜松の物価がかなり高い。改めて感じた。
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