役所のデザインがダサい、役に立たない、という話をよく聞きます。
そんな中で本日、千葉市の「公式サイト」が初音ミクとコラボして市章を1日だけ変えるという革新的な出来事がありました。
ここ数年「似てる」「パクり」という事件が多く、多すぎて最近ではもう珍しくなくなり言われなくなったりシンプルデザインが浸透してきたこともあったのですが、変に炎上したりということがなくお役所がサブカルチャーやインターネットに理解を示して寄せてきて「コラボ」という形で楽しむ、といった実績はこれからの企業や公社の対応の仕方としても参考になるものがあるなと感じました。
話を戻して、ダサい・役に立たないという話。
自治体のプロポーザルに参加した人なら分かるのですが、ルールとポリシーの立て方が非常に事務的で、時には相反するルールが存在するなど結構難しいものがあります。
JIS や ISO などへの対応も謳われることが多く、その全てを対応するのはかなりの労力が必要です。
「ユーザビリティ」面は特に言葉では簡単に表せて解った気になってしまうのですが、定義の部分でも実際に勉強した人にも狭義・広義と難しいこともあり、最終的にチェック表に照らし合わせていくと実現できないデザインや機能といったものがボロボロ出てきます。それを安価で短納期で制作するのですから大変ですね。
作り手側からみても大変なのですが、一般人、見る側から見ても不満があるようです。
「文字サイズの変更」「音声読み上げ」などの機能は不要で、『ブラウザにその機能が既に実装されているから不要ではないか』などがその声で、税金がそのような無駄な機能に使われるというのが腹が立つようですね。
デザインに関しては、シンプルであればあるほど普遍的で使い方が初見でも分かりやすいはずなのでメリットはあるとは思うのですが。
文字サイズに関しては、確かにブラウザに文字サイズ変更機能があるので不必要に思いますね。
でも、そんな風に考えることこそが、パソコンの前でしか仕事をしない人、画面としか対話しない人の欠点であるように思います。
実際にパソコンを触っている一般人を覗いてみればすぐ分かるのですが、ブラウザに文字サイズ変更機能があることを知っている人がどれくらいいるでしょうか。知らない人の割合の数字は?
ブラウザに文字サイズ変更機能があることを知って使っている人は、IT企業やPCをよく使う企業の人たちで周りがそんな人ばかりに囲まれているだけです。
「役に立たないよな」的な発言がデザイナーの口からでるたびに、少し悲しい気持ちになるのですが、自分の行かない場所や知らない人、自分の苦手な人、海外にもいろんなヒントがありますね。
インターネットは自分の望んだ情報が手に入る媒体ですが、逆に興味のない事は入ってきません。
興味のないこと・苦手なことを身に着けられるような環境に身を置くことも、成長のためにも必要ですね。
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