僕は子供の頃から通っている歯医者さんがあって、数か月に一度メンテナンスで通っていたのですが、1年ちょっとの間出張続きで通わなくなってしまい。
噛み合わせに違和感を感じるようになりイライラしていたところ、痛むようになってきてついに通院したのですが。
先生が半笑いで「親知らず、また生えてきましたね」と。
そんなわけないとか人間の歯は32本と決まってるとかよく言われるのだけど、実際、生えてくる人は少なくないらしいですよ。
どうよ、この嬉しくない特別感。
奥の歯なので磨きにくく虫歯になりやすく、抜かなくて良い場合もあるのですが、僕の場合は変な方向を向いているので抜かないといけないらしいのです。その日は出社前に寄っただけなので手術を拒否し、改めて違う日を予約。
というわけで、先程無事に抜き終わり帰還しました。
もう、なんていうか。
助手の人たちがひそひそと耳打ちしてたり。
麻酔を追加で打たれたり。
なかなか抜けなくて、先生が焦ってたり。
遂には、器具を次々に取り換えて、最後には最終兵器っぽいのを奥から取り出してきたり。
40分ほど戦って、ようやく「終わりました(*´∀`*)」という先生の声を聞いた時には、ライバルとの決勝戦を戦い抜いたスポーツマンがみたいにもう全身がぐったりしてて。
助手の愛らしい女の子が、優しくタオルをさっと差し出してくれた時には恋も芽生えるというものでした。
まぁ、ガチ泣きしたからなんだけど。
まさか歯を抜くときって、あんな風にぐるぐる回して抜くとか。
野菜畑のできの悪い芋でももうちょっと優しく抜くと思う。
抜いた血だらけの歯を見せてくれたというか見せられたけど、あんなもんを抜いちゃうとか現代医学すごいわ。普通抜いちゃだめだと思うもの。しかもアナログに力技で抜くし。
基本、僕は医者にかかる経験があんまりないので薬とか飲まないのですが、今回ばかりは飲まずにいられない。それくらいジンジンと痛い。キーボード叩いても振動で痛い。
ただ「痛み止め」って、なんか怖いのですよ。
感覚を鈍らせるって、怖くないですか?
人工甘味料とかそんなのとは別格の、人間のナチュラルな部分の受信するアンテナみたいなのをへし折るというか強奪するというか。
夜中に暗闇の中で照明のスイッチを探して空中で手をあたふたさせるけど掴めない。
そんなまどろっこしさを超えたような恐怖を感じるのです。
というわけで、いま痛みと、痛み止めに手を伸ばすかと、戦ってる最中。
コメント