数字のデザイン、携帯電話と電卓のキーの並び方の違い

身近すぎて気付かないもの。特に何も考えずに使いこなしていたもの。
マンガと教科書では、右から読むか左から読むか表紙の位置で読み方が違うのはわりと知られている話なのですが。
テンキー(電卓など)と携帯電話のキ-配列が違うってことを、
意外にみんな気づかずに使っているそうです。
違和感ないって、すごことだと思うんだけど。
テンキーの方は下から上に向かって数字が大きくなり、
携帯の配列では、上から下に向かって数字が大きくなります。
なぜこのような形になったのか?
デザインには哲学のように道導きだされた結果なのか、歴史的背景など要因によるものなのか、理由はいろいろあるものです。別々の道を通って発明されたものであるならば、違う形に実を結んだとしてもおかしくはないのだけれど。
ですが標準化の欠如という事例は、非常に珍しいものだと思います。
電卓のルーツは、金銭登録機と呼ばれる計算機で、このキー配列は下から上に向かって数字の増えるものでした。
携帯電話のルーツはもうちょっと複雑で、誰もが知っている通りジーコジーコと回す、回転ダイヤル式の、あの電話です。
これは反時計回りに、左から右へと配列されていました。
・・・というふたつのルーツを通ったわけなので、配列の仕方が祖先の段階で違うのです。
でも、なんでこの2つは、いつかどちらかの方法に統一されなかったのか、ということが不思議です。
世の中にはありとあらゆる規格のものがでますが、どれかは必ず廃れていき、ひとつが生き残るものだからです。どんなデザインにも流行や淘汰などがあり、ある方向へと集約されていくものです。
なんでこの2つは、それぞれ別の道を歩みながら、今までどちらかに統一されようとしなかったのか?
僕が思うにその答えは、携帯電話の進歩のせいのような気がします。
「わざわざ電話番号を入力するひとなんていない」
メモリ内の電話番号をボタンひとつで呼び出し、画面内でカーソルを動かして選択し、そのまま電話をかける。
だから、キー配列なんてもうどっちでもよかったのかな、と。
むしろメールを入力するのにアルファベット順に並んでいるのが好ましいので、そのルールを採用すると数字も上から下へと配列するしかないし。
デザインというものは人間が使いやすくなるように日々進化研究されていくものだとは思うけど、こんな風に人間工学とは無縁の背景でいろいろ決まっていくものだな、という感覚は、なんだか不思議さえ感じてしまうものですね。

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