コンテンツ × データベース


ここ最近、飲食店の記事を連投しまくってた「食べログ」がリニューアルされてました。
「Google+」や「Facebook」の良いところを合わせたデザインで、UI はブログに近い。
http://tabelog.com/rvwr/hamamatsu/
kakaku.com 関係のサイトに一貫して見られるデザインの特徴は「数字」。
蓄積したデータをいかに整理して見せるかに重点が置いてあります。


多くのサイトがコンテンツという考え方で構築されるのに対し、「データベース」という考え方はシンプルで強い。
規律があり初期設計段階から整理されているからこそなのですが、記事内容を分析しなくてもはじめから情報を整理することができています。
記事投稿時に各項目に細かく分解することで、情報を整理する。
つまり入力者自身が、入力する段階で情報を整理する UI。
入力時間の短縮や人件費コスト削減にはなっていない、時代に逆行したオペレーションではあるのですが、情報の正確さというメリットがあります。後でコンピューターが入力された日本語を解析して分類するという負荷を考えたら、結果的にどこにコストをもってくるかだけど・・・。
このへんの問題解決をするのは、UIデザイン。
例えば、住所を入力する際に、「住所」という欄に郵便番号からアパートの何号室まで一気に入力してもらうのは、入力者からすれば楽。
これが、「郵便番号」「都道府県」「区」「町名」・・・と細かく入力欄が分けられている場合、入力する側は一生懸命各フォームからフォームへ移動して入力するという多少の手間はあるものの、データ的には「○○区の人が何人いる」と分析するのは容易になります。
なので、入力項目をさりげなく分類しつつ、入力者に億劫だと感じさせない項目数やインタラクティブな仕組みとか。
食べログの場合は、入力者のモチベーションを下げない UI が、よくできていると思います。
今回のリニューアルはフロントデザインの方なので、話を戻すと。
大きな変更点といえば、個人トップの目立つところに表示される、自分でカスタマイズカバー写真。
これが評判が悪いようです。
クリエイティブ関係の人からすれば、個性を出す一番のポイントになりそうな部分ですが、一般人からしてみれば画像を作れないので必要ないといったところでしょうか。
ただ、Facebook や Google+ にも実装されているもので、ブログのテンプレートでも同様の有効活用されているものなので、なぜ食べログの同様の機能が叩かれるのかなのですが。
おそらくデータベースとしてサイトを利用しているので、「自分のサイト」という認識になっていないから?
ASP や外部ツールとして、その方向での進化していくべきだったと思います。
また、「訪れたエリア」機能として日本地図が塗りつぶされるというものが実装されていましたが。
これは機能として見た目としても面白く、データベースという構造上表示するのも簡単で、なおかつ記事入力者の「よーし、日本地図を塗りつぶしてやるぜ~」という意欲を駆り立てるものなのですが。
いや、そんなわけはなく。
日本全国を飛び回っているユーザーが多いはずもなく、住んでいる都道府県が塗りつぶされて終わりのつまんない機能。閲覧側も見てもしょうがないデータだし。
もっと細かいエリアで表示していたら面白いのに。
食べログが全国区で地域に特化していないせいもあると思うけど。
僕は家を買う時に営業の人に言われたのが「家を購入すると誰かに相談したら、必ずその人はやめたほうがいい、と言う」という言葉。
会議の時は、順番に意見を求めると、A君の次に発言するB君は、A君の反対の意見を必ず言う(心理的に同じ意見を言うと「考えがない」思われるから)。
リニューアルするサイトが必ず文句を言われるのは、満足している人は無言なのですが、不満足な人は言いたくて文句を仕方がないから。
使い慣れた UI が変わり、いつもの場所にいつもの物がないというのは、「使いづらい」という評価になります。
だからリニューアルは難しい。
パイロット版を準備し移行期間を用意する、元のままで使えるようにする。
対策はいろいろと考えられます。
ただ、これは個人的には逃げの対策の気がします。
古いままの環境を甘受し新しい物を受け入れられない層に、新しいものはこんなに良くなるんだよ、というメリットのようなものを伝えられてこそのクリエイター。
そこまで良いものを制作側が用意できているのか。というところを、自分自身に問うべきだな、と最近は自分自身に反省するのです。

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