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デザイン花火「fireworks」が、やたらクリエイティブで刺激を受ける。
「fireworks」ブランドはクリエイティブ・ディレクション事務所「method」が展開する花火。
お洒落なパッケージで、それぞれに綺麗な名前が付けられて、コンセプトがはっきりしている。
デザイン性の高さも評価され、多くの美術館で取り扱われている商品。
それぞれ単品で売られていても選ぶのが楽しいと思うのですが、公式WEBサイトの商品一覧では、それぞれのネーミングやコンセプトが掲載され、そちらを見ると選ぶのも楽しくなります。
遊ぶシーンや誰と遊ぶかをグラフで可視化しているのもポイント。クリエイティブとして勉強になります。
■Products | fireworks(公式)
http://enjoyfireworks.jp/products/
(参考)燃やす前も美しい。デザイン花火「fireworks」の新作がスゴイ! [T-SITE]
http://top.tsite.jp/news/lifetrend/i/25000768/
さぞかしキレるデザイナーが作った企画なんだろうな、と考えるところなのですが…。
でもこれ、
デザイナーが作ったオリジナル商品ではないのです。
どこにでも売られている花火をセレクトし、販売しているというビジネス。
企画もブランド化もしていない、いまだかってないオリジナリティがあるわけでもない。
バイヤーであるスタッフが、花火をバイイングし仕入れてくるセレクトショップのようなスタイルなのです。
つまり、元からある商品をそのまま売っているだけなんですよね。
デザインの力というか、どちらかというと魔力に近いのだと思うのですが、お洒落な雰囲気にさせられるという。
元々、花火は情緒的で「美しさ」を楽しむという商品のはずなのですが。
販売のされ方は、スーパーやコンビニで大量にパッケージされたものを「格安商品」として売られているだけ。
対象も、家族連れの子供たちです。
なぜだか、設計とマーケティングにズレのなる商品。
「デザイン性」という部分をフューチャーすることによって、大人やカップルが、大切な思い出となる時間を過ごすための高級で意味のある遊具になってしまうという。デザインの不思議を感じます。
上手なのは、慧眼というか。
こんな売り方したら楽しいだろうな、とか。
こんな商品があったら喜ばれるだろうな、とか。
従来の花火の販売方法に対する「なぜ?」という問いかけに対する答えが、秀逸なのだと思います。
「花火」という美しくも儚い時間と景観を、一緒にいる人やシーンと合わせ昇華させることで完成させられるデザイン。
写真による像や映像では無くキャッチコピーで表現される世界は、想像をかきたてます。
商品の前で、誰と一緒にこの花火をやろうか、とか考えるだけで嬉しく、楽しい。
永遠に所持をすることができない、使う瞬間があるからこその夢と悩み。
いろんな要素が凝縮され、単純なプロダクトが売れる商品になるというのはクリエイティブの面白いところで、成功例だと思いますね。
ひさびさ面白い、ためになるクリエイティブだなぁと考えさせられました。
fireworks のコンセプトについては、以下のインタビュー記事が面白いです。
■fireworks(ファイアーワークス)量より質の花火のセレクトショップ。大人が楽しめる花火でそれぞれの花火大会をCALEND-OKINAWA(カレンド沖縄)
http://calend-okinawa.com/interior/interiorshopnavi/fireworks-yu-yamada.html
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