宣言的知識、手続き的知識

あるページを見ていた時に「どこにどんな情報があるか分からない」あるいは「操作方法が分からない」という状況になったことはないでしょうか。
これは、分からない人が悪いというヒューマンエラーでは無く、作った人間(デザイナー)が情報を整理できていないから、制作者が悪いと考えられます。
初めて見たページのナビゲーションにおいて閲覧者は、その操作方法について、当然ですがまったく無知識となります。
どこをどう触ったら目的を達成できるのか。
デザイン的には「ここを、こうしたら、こうなるだろうな」という万人に共通するような原則と、簡単に行動を起こせるような操作方法が必要になります。
心理学用語には、「宣言的知識」と「手続き的知識」という事柄があります。
(1)
宣言的知識(Declarative Knowledge)とは、事物の属性・言語的意味に関わる知識です。
これは 「青信号は『止まれ』である」 のように、既知的な知識です。
うまい日本語が思いつきませんが、「knowledge of」もしくは「knowing that」に相当するもので「~ は ~ である」のように説明できるものです。
例えば「青いテキストで下線がついているものはリンクである」という思い込みです。

例:リンクじゃないテキスト
もちろんリンクではないのでクリックできません。ブラウザのデフォルトの状態ですが、この多数のルールになれているユーザにとっては、このルールから逸脱したリンクではないテキストを見たとき、苛立ちを覚えることになるでしょう。

宣言的知識 – Wikipedia
人に優しいデザインを考えるのならば、この文字装飾はWEBではリンク以外に使うべきではないです。
よく「リンクの色はデフォルトの色から変えるべきではない」と間違った主張をしていますが、そういう意味ではないです。
(参考リンク)使い勝手って何だろな
http://yasukawa.hamazo.tv/e2061780.html
(2)
もうひとつは、手続き知識(Procedural Knowledge)と呼ばれるもので、英語では「how to」もしくは「know how」に相当するものです。日本語?の「ノウハウ」ですね。適切な行動に関する技能、外界認知に対して獲得される知識です。
例えば、ショッピングカートに商品を入れてから代金を払って買い物を成立させる一連の動作などで、上記と違うのは、形や説明文などを読むことで知識を得ることです。デザイン的には「どのようなヒントを与えれば、間違いなくその行為をさせることができるか」ということになります。
ちなみにこの考え方は人口知能などのアルゴリズムでも利用される非常に身近なものです。「if ~ then ~」文とかのプロダクションシステムね。
手続き的知識 – Wikipedia
こちらはユーザーに対して学習させる必要があるので、デザインに関わらず非常に難しい部分です。文章にするのが難しく、簡単には教えることができないので図などを使って説明する必要があります。
「ブログの使い方が分からない」などはこれに属する問題です。FAQの手法などで解決策をとられることが多いですが、その回答のほとんどが主観に近く、問題解決にいたらないこと多いですね。
例↓
Q. この楽器を演奏したいけど、どうすれば?
A. 練習してください
Q. バイクに乗りたいんだけど
A. 自動車学校で勉強してください
Q. この機能が使えないんだけど
A. 試行錯誤してください
Q. デザイナーになりたいんだけど
A. 自称で名乗れます
世の中は、切り捨てられる理不尽な問題で山積みです。

コメント

  1. 今日も晴れ より:

    ちょっと気になるブログですね。
    これからおじゃまして読ましてもらいま~す。
    ツイッターフォローしますのでよろしくね!

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