WEBデザインという仕事は、デザインを学んでいない素人でもできてしまうことから分かるとおり、正確にはデザインではありません(ちなみに方言と同じで本人自覚が無いのが特徴)。
WEBは取りあえず「コミュニケーションデザイン」という分野に放り込まれています。
工業デザインの場合、少数の「デザイナー」が作る商品があり、それを使う大勢の「ユーザー」がいるという図式になります。
これらはそのまま企業と消費者という社会の図式にあてはまります。
しかし、WEBの場合、与えられた情報を漠然と受動的に使うだけの「ユーザー」にはなりえません。
自分たちが普段している行動を思い出せば、僕たちは相手に説明するためにメールの本文を何度も推敲し改行位置に気をつけ、行間を開け、相手にうまく伝わる方法を考えた末にメールを交換するなりブログ記事を共有したりしています。
これが「情報」を「デザイン」しているという行動にあたります。
つまり、ユーザーは存在せず、作り手と受け手は両方デザイナーであるといえます。
そもそもパーソナル・コンピューターとインターネットの概念は、個人が簡単に情報を蓄積し想像やコミュニケーションを支援できるようにするためですね。
未来学者アルビン・トフラー(Alvin Toffler)は、「生産者=消費者」となることを予見していました。
■アルビン・トフラー – Wikipedia
↓WEBデザイナーはサービス業。
■脱工業化社会(脱産業化社会) – Wikipedia
自分たちが得た情報を編集し、自分なりに発信したりする現代人のライフスタイル上では、生産者と消費者のような図式にはなりません。情報デザインに於いては、誰もが生産者であり、消費者。
じゃぁ情報デザインの世界で、職業デザインとして何をしたらいい?
プログラムでは、オープンソースという概念が爆発的に広まり、1人の天才が作るソースコードではなく、大勢の人間を巻き込んで改良されづづけ、より高性能・より便利になっていくという方法論(プロジェクト・デザイン)が実現しました。
インタラクションとチャレンジ。
バックグラウンドが異なる専門領域を持った人々の意見、共通しない問題意識。
多数の人々を緩やかにコーディネートするためにデザインの発想と方法論があれば、アウトプットは素晴らしいものになると思う。
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