自分と他人の境界線


何気なく使っている言葉に「POP広告」という言葉がありますが、POPを略さないで言えるでしょうか。


POPとは「Point of purchase advertising」の頭文字です。
日本語に訳すと「購入の最先端にあるもの」。
ネット系だと概念的にはバナー下部に設置されたアンダーテキストが近いと思うのですが、POP広告の最大の特徴は、店頭に置かれた商品に一番近い広告・販促であるというところです。
チラシ、ポスター、キャンペーンページなど、いろんな広告・販促物があるのですが、実際に目に触れられるか&商品に結び付けることができるかという計測はアンケートを使わないかぎり難しいのですが、POP広告にはそれらが必要ありません。なぜなら実際の商品の隣にあり、商品と一緒に必ず目に触れられるものだから。
つまり導線など必要なく、その場にある商品を手に取らせていかに購入まで結びつけるかというダイレクトな表現が必要です。
マーケッターやクリエイターならわくわくするようなシチュエーションではあるのですが、この購買者の「背中を押す」というのは簡単なようで難しく。
商品に思い入れがあればあるほど作るのは簡単なのですが、逆に思いを込めすぎて独りよがりになるパターンも多いのです。このへんはクリエイターなら誰でも経験あると思うのですが。
周りの声を聞き他人の意見を取りいれつつ自分の考えを変えていくのか、進化させていくのか、押し通すのか。
言葉で書くと何だか簡単で一瞬で考えが終わりそうな気もするのですが、これ実際に自分がこの状況下に置かれた時にどこまで自分を保てるかというと、たぶんみなさん想像通りの結果になります。なぜなら自分ひとりで考えたので自分の出した答えが一番良いに決まってるからです。
逆に最初から誰かに聞いて得た答えは、その人の考えを取り入れることで思考停止するものですけど。
結局他人はしょせん他人なので購買者がなに考えてるのか分からないのですけど(ドライな考え方)、自分が感じた感性というか思いのようなものは、クリエイターなら大事にしたいところです。
そして他人が「どう感じたか」を聞き、取り入れるのもクリエイターなら必要なところです。
自分と他人の境界線を把握することで、自分の思い込みではない、他人である購買者の気持ちが見えてくるような気もします。
練りに練った戦略も良いのだけど、心をうつコピーだけで売り上げを何倍にもした伝説がPOP広告には多数あるので、そんな気持ちというか熱い心構えも大切にしたいですね。
 

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