最近公開された東京都大田区から発行されたユニバーサルデザインのハンドブックが分かりやすい。
■知ることからはじまるユニバーサルデザインまちづくり 心のバリアフリーハンドブック(PDF版)
良いと思うのは、外国人のことにもちゃんと触れているところ。
ユニバーサルデザインの概念は、ユーザビリティのごちゃまぜになったような伝え方が多く、現実にも対象を障害者にしたようなものが多いのですが、もともとは対象を限定せずに多くの人に使ってもらえるようにするという考え方です。
でも日本人は外国語コンプレックスがあるせいか、なかなか外国人を対象とした施策というのが作られないのが実際のところですね。
浜松は、ユニバーサルデザイン条例が全国に先駆けて施工された都市というのを知らない人が結構多いのですが。(浜松市ユニバーサルデザイン条例について/浜松市ホームページ(公式))
最近では企業と大学がコラボするプロジェクトなど、学生を巻き込んでの組織づくりとかもよく聞きます。そのせいで勉強に仕事にと学生の忙しさが半端ないという声も聴きますが……がんばれ。
ただ大学って駅などと同じく「人が大勢集まる場所」のひとつとして都市の中でも情報の重要拠点と考えらえるので、もっと人間社会のコミュニケーションを推進できるようにデザインされていてもいいと思うのです。
東京オリンピックを目前にして、ユニバーサルデザインの市場規模は高くなる一方のようですが、それでもなかなか多言語化は進まない。言語能力方面に長けた人がこの分野に少なく参加してこないというのも原因のひとつだし、後は「おらが村」以外の国境を越えている人間はやはり「外の国の人」という認識になってしまい、助けるような意識が薄れてしまうエゴイズムも問題かと思います。
SF には「世界中がひとつにまとまるには宇宙からの侵略者という全世界共通の敵がいること」という考え方があるようですが。
経済活動をステージとする企業ではなく、鎖の無い大学の方がより完成形に近いユニバーサルデザインを実現できる可能性がありそうなのですが。
うまく外国人をとりこんで、外国人自身が参加し、自ずから異質に対する距離感を無くしていくようなのがこれからのユニバーサルデザインになったらいいなと思います。
外国人留学生がんばれ。
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