「パッケージのリニューアルデザインで売上があがった」。
デザインの力で市場を拡大させ利益を伸ばしたという商品は多くありますが、最近ではこの「明治ザ・チョコレート」だと思います。2016年9月頃にリニューアルされたと思うのですが、売り上げは年を増すごとに過去最高を更新し、現在の市場規模は5359億円なんだそうです。
詳しくは NHK ニュースのサイトにも情報があります。
■“逆境”でもヒット商品 ヒントは?|NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_0201.html
記事の中のインタビュー記事にもセンセーションな言葉があります。
これまでは、チョコレートの写真やイラストをつけたり、商品の特徴を大きく印字したりするのがセオリーだったといいますから、社内では「このパッケージでは中身がわからない。売れるはずがない」という厳しい意見も出ました。しかし、事前の消費者調査で手応えをつかんでいた開発担当者は「あなたの年代がターゲットではない」などと反論。発売にこぎつけたといいます。
(上記サイト引用)
ここ最近は、シンプル路線はあっても「ただカッコいいだけのデザインは良くない、中身の説明になっていない」というのがデザインのそもそもの基本だったのですが、デザインという概念が広く普及され真髄が遠ざかっていくうちに、時代はこういう流れになっているようです。
消費者が求め、店頭で手に取るものはカッコイイデザインの商品。
しかし明治という企業が、昔ながらの体質ではなく、部下が上司を説き伏せられる自由度があったという社風も、ビジネスを成功させたキッカケともいえます。部下はチャレンジでの意見でしかないですが、実はファインプレーは自分の意見を下げた勇気のあった上司の方であるといえますね。この判断は責任の重さを考えると相当のプレッシャーのように思います。
そしてこの商品の魅力は、客層ターゲットを高級嗜好にしぼり、こだわりぬいた商品開発にもよると思います。購入してみるとわかるのですがチョコレートの立体造形が細かく変えていて、食感の変化や形の違いによる味の変化を楽しむなど、「おやつではない大人の嗜好品」としているのもポイント。
夜のお酒の席などでお洒落にチョコレートを楽しむという生活のデザインを提案しています。
■meiji THE Chocolate(明治 ザ・チョコレート) | 株式会社 明治(公式)
http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/
また、最近の成功する商品のセオリーなのですが、SNS で拡散されバズっています。
このシンプルなチョコレートに絵を描いて公開するという遊びが流行し、それが拡散に繋がりました。
なにがネット民にハマるのか全く分からないですが、ラッキーな要素も否定できません。
パッケージデザインをする時には「シンプルこそ正義!」と呪文のように唱えて参考にしたいですね。
でも普通の商品だと、そんな簡単に売れない気もするけど。
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