産業競争力とデザインを考える研究


経済産業省・特許庁が公開した「産業競争力とデザインを考える研究会」の報告書が読み応えがあります。
昨日に経済産業省WEBサイトで公開された PDF の資料です。
メーカー勤務のデザイナーだけでなく、経営者の方にも有用な資料となっています。
オランダや台湾などいくつかの国ではデザインに対して国費が出て、国が自ら率先して動いているのですが、日本ではなかなか浸透しない考え方のようです。
米アップル社がなぜ iPhone を開発・発売できたか、「イノベーション」や「デザインシンキング」といったキーワードの経営はどのように影響するかなどが綺麗にまとめられているので、社内でデザインが必要だと考えられている人は、経営層に説明する資料に使うのも良いですね。


■「産業競争力とデザインを考える研究会」の報告書を取りまとめました (METI/経済産業省)
http://www.meti.go.jp/press/2018/05/20180523002/20180523002.html
資料は4つになっています。

  1. 産業競争力とデザインを考える研究会報告書『「デザイン経営」宣言』(PDF形式:2,985KB)PDFファイル
  2. 報告書別紙『産業競争力の強化に資する今後の意匠制度の在り方』(PDF形式:1,281KB)PDFファイル
  3. 報告書別冊『「デザイン経営」の先行事例』(PDF形式:356KB)PDFファイル
  4. 産業競争力とデザインを考える研究会報告書『「デザイン経営」宣言』(概要)(PDF形式:195KB)PDFファイル

ビジネスが上手なデザイナーは能力的にもなかなかいないと思うのですが、デザイナーの考え方や手法を経営に活かすというのは大小の企業にも関わらず実行可能かと思います。
グラフィックデザイナーは余り過ぎな時代でも、プロダクトデザイナーや設計職はどこの企業も取り合いになっているようで、リクルートの表には出ない水面下での引き抜き合戦が多いようです。(優秀な経験者などは即戦力なのでダイレクトに直接接触があるパターンですね)
デザイン職のいない、いち企業がいきなりデザイナーを採用するというのは経営者にとってもなかなか敷居が高く難しいようです。反対にビジネスを立案する・経営に参画できる能力のデザイナーの方がもっとレアのようですが。
デザインの考え方には正解は無いので、デザインが事業の中で割合をしめることで、独創的な製品や社会に貢献できる製品が、国内からいろいろ出てくるといいですね。

2013/04/09
俺とお前とオランダ
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2016/09/17
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2018/05/02
あなたはそのボタンを押すべきだと知っている
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2016/12/29
さよならソニービル。It’s a Sony展
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2016/02/11
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あのアメリカのデザインコンサルティング会社「IDEO」が、日本の博報堂の傘下になったというニュースがショック。IDEO ほどの良い仕事をする事務所が札束に負けるこの仕事なんて、もう夢も希望もないです。ていうか、日本オフィスは撤退していたはずなのに(ちなみに設立時の社長は、あの深澤直人氏)、いつの間…


2016/01/28
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(C)gogoro.com台湾のベンチャー企業が立ち上げた「Gogoro(ゴゴロ)」という電動スクーターが要注目。その昔、とある二輪メーカーに聞いた話なのですが。その人が自社製品である電動スクーターを試し乗りしたところ、その快適さにベタ惚れ。休日を使って遠い山まで遠征に出かけたそうです。山の坂道だろうが、…


2015/08/07
デザイン花火に思い知らされる、売れるクリエイティブ
(C)enjoyfireworks.jpデザイン花火「fireworks」が、やたらクリエイティブで刺激を受ける。「fireworks」ブランドはクリエイティブ・ディレクション事務所「method」が展開する花火。お洒落なパッケージで、それぞれに綺麗な名前が付けられて、コンセプトがはっきりしている。デザイン性の高さも評価され、多くの美…


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