プログラムされていない計算機「プラニメータ」


現代になって多くのクリエイティブのツールはデジタル化され便利になっています。
「紙とペン」や「サイフォン式コーヒー」や「レコード盤」など、情緒的アナログを良いとする考え方も存在するのですが、人間のライフスタイルの移り変わりと共にそれら手作業の猥雑さはなくなり、シンプルで手間のかからない、時間という貴重な資源を別に回すという考え方も見え始めています。
ありとあらゆる行動や法則が数値化され、ノウハウは方程式に落とし込まれ。
現世のすべては数学でできているとまで評され、そうでない不思議はプラズマと異星人のせい。
ここでデジタル化を憂うわけではなく。
そんな数学の流れとは別に、人間の知覚システムともいうべきものを「道具」に落とし込んでしまったという不思議なツールがあります。
それが、「プラニメータ」。
土木測量などの分野でよく使用される面積計とも呼ばれるものです。


デジタルで面積を計算しようとすると、簡単な「公式」が思い浮かぶと思います。
「底辺×高さ」。そして台形や三角ならもうちょっと数字と計算式を足すくらい。
プラニメータには、そのような公式の概念はありません。
アームの先で図形の境界線をなぞることで、動きが回転車機構に伝えられ、その回転角度によって面積がわかるというもの。
びっくりするくらいシンプルですが、なぜそうなるのか機構がよく分からないというのもすごいです。
面白いところは、公式を必要としないこともそうなのですが、まだたくさんあります。
・図形の形や性質を無視して答えを出している。
・面積は測れるのに、なんで長さは測れないのか。
この機構を、デザイン的には「触って測る」を道具にしたものだと考えることもできます。
感覚的に動かしてはいるものの、中枢的なところで知覚され、説明できないけど体現している。
公式も推論もないけど、なんとなく感覚的にできていること。
プラニメータの原理に関しては、以下のサイトが詳しかったです。
■プラニメータの仕組み
http://kanachantankenki.cafe.coocan.jp/planim/howwork.html

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