頭の良い僕は、僕じゃない


「お前って自分自身の個人用のデザインは恰好良いの作ってくるけど、会社の仕事では作ってくれないよな」
と目上の人にこの間、嘆かれたので。
そんなこと考えたこともないから自覚が無いのだけど、どうしてそう言われたのか自分なりに分析してみた。
まぁすぐさま『納期がないから(トライ&エラーが無限大)』と『良いアイデアが浮かんだらすぐ実行した』という時間の使い方の違いだと簡単に結論は出たのだけど。
スケジュールが決まっているプロジェクトだと、時間という魔物に追われる中で救世主となる通りすがりの勇者アイデアが現れて必殺技で魔物を倒してくれるという幸運の可能性は低い。まぁ僕自身が勇者だったら解決しているという話なんだけど。
時間の魔物が云々ではなく「1年前から言ってるタスクもあるよな?」という指摘に対しては絶句するしかなかった。その通りだ。
考えてるつもりでも、長距離走というか生活の中での頭の使い方みたいなのができていないのだと思う。
気づくことができたのは自分の中で大きなことなので、この感覚を大事にしたい。
結局のところ、本や講義で学ぶことより、自分が感じた体験の方が大きい。
勉強したことができるようになることはあっても、経験以上の仕事ができることはない。


僕が WEB 業界に携わって驚いたことは「プライベートでWEBを作ったことがないWEBデザイナーが多い」という現実でした。
仕事でしか作ったことがない。
HTML が作れるという理由で、ただ作るだけ。
作れるということは仕事にできるのだれど、でもなんか違う。
だから僕は、そんな人たちと違うデザイナーになりたかった。
自分だけのものを生み出したいから、好きなものを創りたいから、だから作りたかった。
だったはず。
でもなんか。
慣れて無意識に作れるようになってしまったのか頭を使わなくなった気がする。
そんな頭の良い僕は、僕じゃない。
できないことを、頭をかきむしりながら考えて思いついて、それが楽しかったんじゃないかと思う。
ベンチマークサイトの焼き直しの「デザイン」、レイアウトを並び替えただけの「デザイン」。
そんな下らない仕事にならないように、ちゃんと普段から頭を使うようにしたいところ。

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