多数の人の気を引けるコンテンツのひとつに、占いがあります。
Facebook 上の広告などにもよくあるのですが、生年月日や血液型などの個人情報を自由にぶっこぬけるコンテンツとして猛威をふるっており、未だに SPAM の被害が後を絶ちません。
米国心理学者 Bertram Forer は1948年に学生にある実験を行いました。
以下の占いの結果として以下の文章を受け入れるかというものです。
あなたは他人から好かれたい、賞賛してほしいと思っており、それにかかわらず自己を批判する傾向にあります。
また、あなたは弱みを持っているときでも、それを普段は克服することができます。
あなたは使われず生かしきれていない才能をかなり持っています。
外見的には規律正しく自制的ですが、内心ではくよくよしたり不安になる傾向があります。
正しい判断や正しい行動をしたのかどうか真剣な疑問を持つときがあります。
あなたはある程度の変化や多様性を好み、制約や限界に直面したときには不満を抱きます。
そのうえ、あなたは独自の考えを持っていることを誇りに思い、十分な根拠もない他人の意見を聞き入れることはありません。
しかし、あなたは他人に自分のことをさらけ出しすぎるのも賢明でないことにも気付いています。
あなたは外向的・社交的で愛想がよいときもありますが、その一方で内向的で用心深く遠慮がちなときもあります。
あなたの願望にはやや非現実的な傾向のものもあります。
この文章を読んだ当人は、全員の中で約9割近くが「自分にあてはまっている」と答えました。
これは自分をよく見せることのできる分析、そして権威ブランドのある試験(この場合は心理学者からのテスト)などには、人間は適切なものと感じるという証明をしました。心理学でバーナム効果というものです。
■バーナム効果
このテクニックにより、「よく当たる占い」はデザインすることができます。
ネガティブなことに思われるかもしれないですが「占い」は夢や可能性を与えるコンテンツのひとつ。与えられた人が少しの幸せとポジティブな生活をおくれるのであれば、それは良いことなのだと思います。
手品だって、魔法ではないのだから。
ポジティブで人の心を打つ言葉は広告効果があることは「キャッチコピー」という単語で周知されていますが、デザインの中に組み込んでいくことで面白い展開が望めますね。
僕はこういう話ではよく引き合いに出すのですが、トヨタのプリウスのキャッチコピーが「21世紀に間に合いました」。その後、手塚治虫のアトムやドラえもんなど21世紀をイメージさせる版権を使ったメディア展開をし、21世紀という時間軸と技術を感じさせすごく熱を感じるものでした。
そして遂に電気駆動による普段走行を実現したプリウスPHVのキャッチコピーは「すぐ普通になる」。
開発者視点だと、地球温暖化の問題を解決する技術をすぐに普及させる、そんな熱い想いも感じて思い入れもできてしまうというものです。普及させるためにたくさん販売するぞ、というメーカーの決意のような捉え方もでき、力の入れようも伝わってきますね。
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