美意識というものは、意外に個人同士で違うものです。
「あのデザインはカッコイイ」「いやかっこよくない」という論争もそこら中で起こり、善悪の概念が人によって差があるように、お互いを犯罪者のように罵り合うこともあるように、世界の美意識は一枚岩ではありません。
19世紀、フランス出身のデザイナー、オーギュスト・ラシネは「世界装飾図」を発表しました。
この本には、世界各地の文明によって培われたそれぞれのお国柄、それぞれの美意識が収録されています。
植物をモチーフとした模様にも、世界によって差があります。
これは生態系による違いなのですが、歴史・時間の流れといった影響が、人間の美意識に影響を与えているといえます。
だからといって、世界が分断されていて、美意識が国によって違う、とはいえません。
例えば、アール・ヌーヴォー。
19世紀にフランスを中心にヨーロッパで大流行したこの装飾美術の傾向も、日本の自然主義に影響を受け、植物的曲線が表現された様式です。
(浮世絵の平面的な空間構成が内包されているからです)
日本で流行し馴染みの深い、アルフォンス・ミュシャの絵画なども、実際には、元々日本人が好む要素をもっているわけです。
ところで僕はクリスチャン・ラッセンの絵が何故あんなに日本で流行るのか意味が分かりません。
世界装飾図 (マールカラー文庫 (2))
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オーギュスト・ラシネ マール社編集部
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綺麗な
絢爛豪華な装飾図を収録
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