感性工学

アメリカでは「ヒューマンファクター(Human Factors)」、ヨーロッパでは「エルゴノミクス(Ergonomics)」と呼ばれる人間工学。
言わずと知れた道具を使いこなすために人間が使いやすい、可能な限り自然な動きや状態で使えるように物や環境を設計するという手法です。
人間工学 – Wikipedia
ここ最近、学問として活発なのは「感性工学」。
認知心理学と同様に、人間の感情を元に研究されているものです。感情というフワフワしたもので研究が確定されることがないので、その性質上、うまいこと定義されていませんのですが。
人間工学が「物を使いやすくする」「使いにくさを解消する」というアプローチなのに対して、感性工学は、「使いにくてもいいじゃん!」「楽しければそれでいいじゃん!」という、かなりアーティスト的なデザイナーに優しい感覚的なスタンスの物の考え方です。
と、書くとノリでデザインするもののような捉え方をされてしまうのですが、有名な商品群で言ったら、iPhone なんかがそうですよね。本来の機能である電話として使いづらいのだけど、でも所有していたくなる。使い続けたくなる。ひたすら好きになるアイテム。
例え「使いづらく」ても「気持ちよく商品を使うことができた」というプロセスの体験が、感性としての体験が、その商品を魅力的にさせているのです。
── 使いづらくても気持ちいい。
そんなエクスペリエンスによって引き起こされる、相反した不思議。
デザインというものがヴィジュアルが全てではないと思うのですが、見た目や、使いやすさだけを追い求めてはいけない。
面白さ、楽しさといった部分を取り入れて、手に取った人が思わずくすりとしてしまうようなものでも入れることができるとよいですね。
■日本感性工学会
http://www.jske.org/
 

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