シンメトリーの心理

インクのシミを見せられて、「これ何に見える?」
ロールシャッハ・テストと呼ばれるこの試験方法は、被験者が何を想像するかによって人格を分析しようとするものです。
でも、人は何故、不定形のシミに何かしらの意味を見出そうとするのでしょう?
ロールシャッハ・テスト – Wikipedia
シミが何かに見えてくるのは、心理的な仕掛けがあります。
人間は左右対称な図形を、図柄(シンボル)として認識しやすいので、「本能」で咄嗟に似た図形を探してしまい、そこから何かを読み取ってしまうようです。
そのために、ロールシャッハ・テストのインクのシミは、左右対称にできています(そうじゃないのもあるかもしれないけど)。
左右対称のデザインには「安定性」と「正面性」があり、工業デザインでは欠かせないものとなっています。
シンメトリーと呼ばれるこの法則は、モダンデザインでは「線対称」「点対称」「平行移動」という分類になっています。
線対称は前述の「左右対称」の部分、点対称はネジや扇風機の羽根といった工業製品や、雪の結晶といった自然物に見られるもの、平行移動は床のタイルやビルの窓など建築物に多く見られるものです。
対称性 – Wikipedia
左右対称の住宅はあまり多くない気がしますが、神殿や教会などは、ほとんど左右対称にできています。
これは、シンメトリーが「安定性」をイメージさせるため、権威を誇示するためにそういったデザインになっています。
権力や安定性が必要な文化のものは、大抵シンメトリーです。
企業WEBサイトのデザインなどに多用すれば便利そうなシンメトリーですが、あまりにもシンプルすぎるので単調になりがちです。アレンジを適度に入れ、自分なりの工夫をしたいところですね。

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