生きる力を、デザインする。


「OLIVE」というサイトがあります。
被災地で困った際に役立つ智慧をまとめた、WIKI ページです。
■OLIVE
http://www.olive-for.us/

OLIVEは被災者に役立つデザイン・アイデア・ノウハウを被災者の方と出来る限り早く共有するためのプロジェクトです。
知っていれば助かったことを、知らないまま失われていく命があるとしたら、それはとても悲しいことです。
この未曽有の大災害に対して、発達した情報網でつながった僕らの思いを束ねて、少しでも「知らなかったから助からなかった」を無くしたい。
僕らの想像力は、そのために無力なはずはありません。

(サイトより)

デザインという言葉をイメージするものが、工業製品だったり、コンピューター・グラフィックだったり、或いはビジュアル的なものを多大に含むのだとしたら、このサイトのデザインは目に見えていない。
しかしそこには、人々の生活を豊かに変貌させるデザインという創造性があり、アイデアがあるのです。


そこには装飾もなければ、華美な世界観も無い。
カッコつけた「 Cool! 」も無い。
汚く、質素で、安っぽく。どこにでもある物。
ただあるのは、デザインという祈りだけ。
デザインが「人々の生活を提案するもの、変えるもの」という定義なのであれば、このプロジェクトは刹那的なデザインであり、プロダクトとコミュニケーションデザインの希望であるように思える。
願いと、祈り。逆説的ではあるけれど、デザインの根本を抜き出して摂理にしたような。
なんでこのプロジェクトが「OLIVE」なのかと思ったら、「O」の部分が「日の丸=日本」で、そこに「LIVE=生きる」が合わさったタイポグラフィなのですね。
グラフィックありきだけど、ちょっと感心した。

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