自分の発想力って図ったことがありますか?
ものさしで測れるものではないので、必然的に他人と比べていくしかないのですが、デザインに関われば関わるほど、自分がみじめに思えてくるような感覚があります。
強いて例をあげれば、インタラクティブ・デジタル・アートで有名なイスラエルの工業デザイナー、 Daniel Rozin が発表した「Wooden Mirror(木の鏡)」。
「鏡」といえば「反射」をして姿を映す、というのが存在概念。
そのためにピカピカと光る素材でできていて、それだからこそ光を反射して姿を映します。
しかし、Rozin の創った鏡は、「木」でできています。
木材で作ったタイルを敷き詰めて、鏡を成形しています。
最初、この話を聞いたときは、「木材」が鏡の役割を果たせるわけがない、どうやっても姿を映せるわけがない、不可能だろうと考えました。
しかし、実際には。
写真画像を見て、「ううむ、なるほど・・・!」と思う人も多いと思うのですが、ムービーを見るとその仕組みが分かります。
動画へのリンク:http://youtu.be/BZysu9QcceM
要は木材をピクセルのようにして大きなディスプレイを形成、センサーで取り込んだ正面映像をグレースケールの陰影に変換。可動式の木材タイルの角度をコントロールして上部の光源から3次元の光と影を作る。
そしてそれが細かいピースで作られた2次元から見れば1枚の静止画のように、鏡を覗き込んだ人の姿を映すのです。
この作品は、アイデアと技術、そして意外性。それらが高いレベルで融合した作品と言わざるを得ません。
初めて見た時も衝撃的でしたが、驚くべきところは、これがまだインタラクティブという言葉さえも認知されていないような時代の作品というところです。
■Daniel Rozin Wooden Morror (公式・英語)
http://www.smoothware.com/danny/woodenmirror.html
■Daniel Rozin | bitforms.com(ギャラリー)
http://www.bitforms.com/daniel-rozin.html#id=22&num=1
Rozin は 1999 年頃から鏡を題材としたシリーズを作り続けているようですが、この発想は面白いと思いました。
これを思いつくための発想法を自分なりに考えて、エントロピー計算もしてみても、まずは知識というか技術が必要なのかな、という答えにしかたどり着かない。だって木製パネルの角度とか、カンで設定できないような。
そんなことを考えると、今日もなんかもがいてる感じ。
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