デザインは、未来へのリハーサル


WIRED で、シド・ミードのインタビューが掲載されていて、その内容が面白いです。
■シド・ミードと巡る、過去と未来をデザインでつなぐクエスト « WIRED.jp
http://wired.jp/2014/02/28/syd-mead-interview/
その中に、こんな一文がありました。

最初はクルマのデザインだけを依頼されていたのに、街やビル、道路など、まったく頼まれていないことまでデザイン画に書き込んでいましたよね。結局、それがまるごと採用されて、ブレードランナーの独特な世界観を生み出すことにつながった訳ですが、そういう積極的な姿勢が、最近の分業制が進んだクリエイティヴの現場では育ち難いように感じています。

なるほど、と思いました。
言葉にできないモヤモヤした何かが説明された感じ。
WEB 業界に限っていえば、コーディングが嫌とかプログラムが嫌とかネットワークが嫌とか言ってる人が多くて、なぜお前は WEB を作る業界にいるんだと思うこともかなりあるのですが。なんか WEB をやりたいと言って関わる人の考え方が甘くなってきてるのかな、というか。
「WEBサービス」のほんの一部である、昔からの「ホームページ制作」という言葉が、原因なんだと思うけど。
この言葉はもう使うのをやめようと思う。そんなのサービス作ってない、ただの薄っぺらいものだし。
引用した文章に関しては、インタビュアーである「AR3兄弟」の言葉なのですが、クリエイティブのためにいろんな技術を吸収しているからこその、重みのある言葉なのだと思う。
「最近のヒットしたサービスを作った人は技術者」という言葉を聞いた時もなるほどと思ったけど、結局マーケティングもやれば技術も勉強するということもしないと、人に届くサービスを作っていくことは難しくなってきたんだと思った。
シド・ミードの言葉は、分かりやすいし、感銘をうける。

経済とか生物とか科学の雑誌、技術の最先端がどうなっているかに、やっぱり興味がある。自分がデザインしたものが、十年二十年経ったらあり得ないデザインになるみたいな、恥ずかしい思いだけは、したくないからね。

うーん確かに。
勉強大事。そしていろんな業種を知ることも大事。これは今までの自分に反省。
また、デザイナーは哲学者でもあれというのは、言葉の隅々から感じる。
「AR(現実拡張)」という技術をどう考えているかという質問に対して「眠らないと見られなかった夢を、テクノロジーで現実に再現できるなんて」と感覚的な言葉でも即答しているのだけど、こういう概念的な言葉がすらすらと出てくるのは、常日ごろから作りたいものをいろんな角度から考えているからだと思う。
良い刺激になった。

シド・ミードに関するこのブログの過去の記事

2011/03/12
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