タイでの現地通貨が心もとなくなったので、ATMからお金をおろしてみた。
まさか海外で ATM を操作するという瞬間が来るとは。
ちょっと前まで日本の銀行からおろせるの? とか言ってたのに。
日本では至る所にあるジュースや煙草の自動販売機はタイでは見かけないけど、代わりに ATM がそこらじゅうにあります。
盗難を心配して自動販売機が無いというのは分かるけど、代わりに ATM があるというのがよく分からない国。これも文化の違いなんだろうか。
おろしてみたのは、ホテルのエントランス外に設置してある ATM。
「中」ではなく、野ざらしの外っていうところが・・・
この間もみずほ銀行の ATM が実利用者研究機構(旧・日本ユニバーサルデザイン研究機構)から「使いやすさ検証済」製品として認証されたというニュースもありましたが。
ゆうちょ銀行は全てのボタンに点字。
メーカーである日立はカラーユニバーサルデザイン認証を取得。
ほとんどのATMでは、視覚障がい者のために音声ガイダンスを搭載するなど、とにかくきめ細かいサービスが年々積み上げられていきます。
内装や空間デザイン、防犯機構や省エネ、操作時間短縮のためのシステム処理など、ありとあらゆる智慧がこの端末に凝縮されているといえるほど、「サービス」の宝石箱です。
老若男女関係なく。
説明されるまでもなく直観的に操作できる。
お金を扱うという性質上、操作ミスを防ぎ、ヒューマンエラーを回避する。
それを実現するインターフェースって実はすごいのです。
そんなことから日本の ATM のユーザビリティは年々進化していて、手順が多く入力項目もあるはずなのですが、何気なく使っているんだけど「使いにくい」と思うことがないまま(気づかないまま)操作を完了してしまうので、「気づき」を得る題材としてはもってこいの教材になっています。
で、そんな視点でタイの ATM を触ってみると、色々 UI に気づきもあって面白かったりします。
まず、タッチパネルじゃない。
これからの時代のインターフェースは直接指で操作できるタッチパネルに基本なってくるはずなのですが、コストの関係からかタイの端末では採用されていなくて。
そして、「タッチパネルにしなくても良い工夫」がなされています。
端末のすぐ横に汎用的なラベルの無いボタンが並んでいて、画面でナビゲートされるのです。
これならタッチパネル要らないですね。
お金かけずに、頭で工夫してこんな単純な方法で、解決しちゃったよ!
また、金額の入力のところでは、日本ではテンキーを叩きますが。
タイでは、あらかじめ表示されている金額のボタンを押します。
これ、ひょっとしたら中の機構的な問題かもしれないけど。
でも、半端な数字で金額を入力する人もいないし、桁の打ち間違えなさそうだし、内部処理的にもスピーディーだし、これいいんじゃないだろうか。
単純化してるだけなんだけど、結果的に求められてるものをクリアしているというか。
デザインとしてのひとつの成功事例だと思う。なかなかこの気づきは得られない。
今まで興味すらわかずに離れていたものも、こうして比較してみると、面白いものが見えてきますね。
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