自宅サーバの音がうるさいので、静音化することにしました。
サーバラックはオフィススペースのドアの向こうにあるのですが、3階にいても轟轟と音がうるさく気になっていて、おそらく多くの人がPCとかサーバとかの音に対して「なんか腑に落ちないけど、まぁそんなものだろう」と諦めていることだと思います。
PCデバイス周りをいろいろと整理している中で、どうしても音が気になり始めたので、静かになるかどうかは分かんないけど、とりあえず静音化にチャレンジしてみようということになりました。
で、結果が次の比較動画。動画というか、音を確認してください。
この動画のリンク:https://youtu.be/I1pawVEDvBs
電源が入ってるのか分からないほど、めちゃくちゃ静かになった!
こんだけ静かならば、家にサーバが置いてあっても奥さんや彼女も大満足だと思います。
いや、やってみるもんですね。もっと早くに対処してやっとけばよかった。
ちなみに、今回はケースファンを交換しただけです。
メーカー購入時に搭載されていたファンを外し、noctua(ノクチュア)のケースファン NF-A12x25 PWM に交換しました。
ノクチュアは一般的にはその名を知られていないオーストリアの小規模なメーカなのですが、プロダクトデザイナーなら必ず耳にする冷却コンポーネントに特化した研究企業です。この小さな分野に特化し評価されているところは、多くのメーカー企業が目指すビジネスモデルにもなっています。
プロダクトデザインを進めていけば、流体解析・熱伝導などの技術分野で躓いていくことになるのですが、突き詰めていった結果、世界ナンバーワンともいえる評価を受けるのはビジネスでの成功といえます。「冷却ファンなら高価でもノクチュアを買っておけば問題ない」と市場に思わせることはできるのは、アイスクリームならハーゲンダッツといった一部の企業でしか実現できないブランド力です。
高級ファンを確信させるパッケージの作り方とか、いろいろ参考になりますね。
蓋をあけると、びっしりと製品のストロングポイントが細かく並んでいます。こんなに書くことあるとか、自信の表れ意外にないですね。
ちなみに製品マニュアルなど日本語化はされていないです。
ある程度のPC技術スキルか、もしくは英語力が必要になります。
商品を購入する際にシリーズ内の製品比較が分かりづらく悩んだのですが、この表を見れば一目でわかります。
マニュアルは当然英語で、すごく分かりにくい英語でした。自信のない方は読み解けないレベルだと思います。
ノクチュアといえば、コーポレートカラーであるこのブラウン色なのですが、あまり評判は良くないです。僕は正直そんなに違和感を感じないのですが、ケース内をガラスやLEDなどで飾りたてるようなPCファン層には評判がよくないのだと思います。
このブラウンカラーに引き寄せられるようによく見ると、特徴的な艶があって「なんだこの材質?」ってなります。新素材「Sterrox LCP」というものだそうです。メーカーの究極的なクリエイティブは新素材開発だと思うのですが、羽の部分って剛性はもちろん柔軟性や軽量性も考慮する必要がありそうなので大変だのだと思います。
■【COMPUTEX】開発期間4年以上。Noctua史上最も困難だった万能ファン「Next generation A-series Fan」遂に完成 – エルミタージュ秋葉原
羽に入っているモールドのようなものは同社のキャラクターにもなっているフクロウの羽の構造を模してデザインされたものとのこと。フクロウは「森の忍者」と呼ばれるくらい飛ぶ音がせず風圧も立てないのですが、この羽の構造がキモで気流を乱して空気抵抗を減らすことで空気との摩擦音が減り、結果、音が静かなのだそう。なんでそのデザイン技術が飛行機とかに使われないんだと思ったら、既に最新型新幹線などでは騒音カット技術として起用されているそうです。でしょうね!
ちなみに付属品もかゆいところに手が届くもの。通常接続に使う4ピンケーブルの他、抵抗が入ってさらに音を静かにさせるケーブル、Y字型、水冷式で使用するラバーパッド等。何故水冷式だと全体的にラバーをする形になるのか、僕の頭では理解できなかったですが。ネジなども付いていたのですが、僕は使用することはなかったです。
交換するために、冷却ファンを取り外しします。
このサーバは、DELL PowerEdge T340。ドライバなど必要せず、簡単に外していけます。外し方はケースの外板裏にイラスト入りで書いてあるので分かりやすいです。DELL は動画でも各パーツのメンテナンスを配信しているので(英語)分かりやすい。
なお、T340 はファンが1つで、トンネルのようなカバーで空気の流れをコントロールする構造設計になっています。
最初から搭載されていた冷却ファンは、SUNON の PSD1212PMB1-A という製品のようです。スペックを調べてみたけど、よく分からなかった。120mmのファンという規格は見れば分かるのですが、厚さが 40mm というちょっと特殊なサイズのものです。
NF-A12x25 PWM は厚さが 20mm なのでサイズが違うのですが、しょせんケースファンなので固定さえできればなんとでもなります。一応今回は、サイズに合わせて特に改造するということはありませんでした。
外してから気づいたのですが、この PSD1212PMB1-A というファン、端子が5ピンなのですね…。調べてみたら、DELL の独自規格のようです。
そして ネット上には貴重な情報がありました。
dell ←コネクタ
黄(1) ←白(3)…回転数
赤(2) ←赤(2)…+12V
黒(3) ←黒(1)…GND
青(4) ←茶(4)…PWM
?—– ←※未使用
DELL Dimension 9200Cのファンアラートを回避する その2 – ブログ練習中
知識がなければ、お金の力で解決することもできます。
5ピン to 4ピンの雄ソケットアダプタJACK PWM冷却ファンの電源ケーブル(for DELL PC)
まずトレーにファンをセットし、それをケースに固定するという手順なのですが、ファンの向きにも気を付ける必要があります。
風の向きがシンボルで書かれているので、同じ向きになるようにしてセットすれば大丈夫です。
ちなみに、この2つのファンは回転する方向が違うようで羽の向きが逆になるので少し混乱しました。
シリコン素材のピンで固定していきます。銛のようなトゲのような形のため穴に差し込み方が分からないかもですが、ひっぱると細くなるので普通に穴を通ります。丁度、避妊具ぐらいの伸ばし方というか力の入れ具合です。意外にちぎれません。
あとはセットしてテストで電源入れてみればOK。結果は動画の通りです。静かすぎるのでファンが回っているか何度も確認するのですが、ちゃんと動いてます。
交換前のステータスを確認しておくのを忘れてしまったので数値比較ができないのですが、現在値は温度は平常値、 30%~45% PWM、約4,000RPM ほどで、数値上は以前より低いみたい。温度は交換前と変わってないので、風量など落とさず激的に静音化を実現できたんじゃないのかなぁと思います。
3Dゲームなどやる人は大幅な温度制御が必要になるはずなので、回転数を抑えた静音化はできないと思うのですが、グラフィックボードのないサーバなどは、ノクチュアのファンでの静音化はやってみる価値があることだと思います。
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