今年の春に発売された HTC VIVE Pro。旧モデルから解像度が上がり 4K に対応したのが大きな変更点。その他は、より没入感が上がるようにデザイン変更されマイクやスピーカーの数や質が上がっています。
旧モデルは購入前にデモで体験させてもらっただけなのですが、今から購入する人は Pro を購入するまでもないのかな、という感じです。旧版もエントリーモデルと考えると値段的にも全然良いですね。
今回の VR 端末の購入目的は、プロダクトとしての大型設備の3D設計データを、工場での製造前に顧客にデザインレビューさせるためです。つまりメーカーとしてのメリットはある程度製造して目で確認できるようになってきてから「ちょっと、思ってたのと違う」と設計変更されないため、そして何より製造前に設計ミスを無くすためのものとなります。
大型設備ともなると価格は数千万円~1億なので、製造前に実物をデザインレビューができるというのはリスクヘッジとしてもデザイナーとしてもメリットだらけです。良い時代になりましたね。
パッケージ裏面。これはフルセット版なので、センサーやコントローラなど一式全部入っています。
旧版+アップグレート版を購入した場合、同じものが揃うだけでなく旧ヘッドセットが1つ余ることになり、若干お得?と思った時期が僕にもありました。実際には内容物は Pro 版に合わせてアップグレードされており、新型になって性能と使い勝手が良くなっています。
性能をとるか、値段をとるかでどちらのバージョンを購入するか変わってくると思います。
箱を開けたところ。大きく説明が書かれており、初見でも分かりやすくなっています。
内部は番号が描かれた小箱になっており、ケーブルにも全て番号が振られたタグが付いています。
このあたりは Apple あたりだとスタイリッシュさを求め説明しないところだと思うのですが、このメーカーの場合は初見でも分かるように工夫がされています。
実際、説明書は全て英語なのですが、図解と番号を紐づけていけば、知識のない人でも接続できるかと思います。
実際、やってきた感じはテレビの配線すら苦手という人には無理、プレステはテレビに接続できたよ! という人には可能というレベルだと思います。
接続は構造が分かっている人なら当たり前ですが、PCから出力された映像をゴーグルに表示するケーブル、相互に情報を伝達するための USBケーブル、あとは電源ケーブルです。
悩むところはないですが、端子が DisplayPort というのは PC を選ぶところ。旧版なら選択肢は多々あるのですが、ノートPCだと性能の良いグラフィックボードを積んだものが少なく、端子も合わないので結構苦労します。変換ケーブルだと動かないという情報は多いです。
ゴーグル。こんな感じで小箱に分かれてミニマムに収納されています。
展示会などに持っていくのにも便利そう。
実際にテストセンターに設置して使ってみた。
機器運用としては、機器が多いためコネクションを確立させるのが面倒。どこに問題があるのか理解するのに結構時間がかかります。何回か使ってみた結果、ゴーグルと PC をつなぐハブのところの緑のボタンをON・OFFすると大抵なおるけど。
業務でデザインレビューをするには、設計部との連携が必要。3D設計データを共有してもらい変換し、ビューアーで閲覧する必要があります。変換する必要がないような業務スキームにするのもいいですね。
展示会などで自社製品をPRするのにも使えますね。サイズであったり重量であったり搬入に難易度が高いものも VR を使って確認できるのもメリット。単なる確認ではなく、VR は「体験」なので、実物のスケール感に触れることができるのは大きいです。とくに上部に手が届く、メンテナンスがしやすい、ステップに楽に足が届く、など体験でしか得られない個人的に気になる情報も、その場で解決できるというのもすごく良い。
唯一、コンテンツをどう作るかは業界内の不安点。
いまの学生たちがようやく3Dデザインを勉強しているくらいで、現役は2次元からの脱却は難しいかと思います。新卒世代が今後の3Dを牽引していくのは間違いがないと思うのですが、今後のおっさんおばさんデザイナー世代もどうスキルアップしていくかは課題にはなりますね。
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