誰しも自分がアイデアマンだと思っていて、ひらめきで面白いこと思いつくと考えているようです。自己評価というのは客観的に評価できないから自己評価なんであって、そもそも実際にアイデアを行動に移していれば結果が分かるものなのですが、この行動しないことが自己評価を高める結果になるようです。行動力という謎の力は世界に悲劇を生みますね。
そんなアイデアを生み出すプロセスは、あらゆる天才たちが解読をチャレンジしていますが、まぁ誰が正解を知っていて「それ正解」というわけでもないので、微妙に理論に流行があったりなかったりしています。
前に「記号論」でちょっと書いたパースの理論もそのひとつ。
■(過去記事)誰と始め、成り立った世界なのか。事実一般化のデザイン
改めて自分の書いた記事を読むと、なんか深夜に眠くて最後に Wikipedia にまる投げしたような書き方ですね。
まぁ今現在もそんな感じで書いてるのですが。
パースの記号の概念では、考える思いつくという現象は semiosis(記号過程)だとしています。
ここでの記号は図や意匠としての記号ではなく、言語的な意味での「記号」です。解釈できる事象ともいうべきものです。
定義は以下。
・representamen(表意体)→ sign(記号)
・object(対象)
・ interpretant(解釈項)
これで3項論理と呼ばれる定義を形成しています。
この中では interpretant、解釈項が特殊です。representamen に関しても曖昧な部分はあるのですが、interpretant=解釈項 については表意体と対象を結びつける関係性をもたらすもので、それがなくして2つを絶対的に結びつけるものではありません。この思考の詳細な部分が発想やひらめきといったものに繋がると考えられます。この解釈を引き出しから出すことが、アイデアというわけです。
パースの3項論理は哲学なので、デザイン理論にはあてはまらず、認知心理学でも学びません。
どちらかというとマーケティング分野で学ばれるもので、大学院や研究員が腰を据えて研究していくレベルの学問じゃないかと思います。
ただ、ここから繋がっていくのはデザイン思考や商品開発の企画マーケティングで、この理論をベースにし応用したあらゆる手法が世の中にはたくさんあります。マーケッターと呼ばれる人たちがやっている手法のほとんどが、この応用手法のはずです。
学問として学んでいなくても、そのプロセスを人は簡単に利用できる。まぁ、そのための学問や研究だったりするのですが。
学問や技術は結晶化され、多くの人達に伝えられていきます。ただ、意外にその源流や先人の偉大さという部分は知らないものです。
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